みなさんは「MOI」や「AQI」といった略称をご存知でしょうか。
「MOI」とは、イタリア本国の厳しい審査のもと「本場と変わらない味とサービスを提供するイタリアンレストラン」に贈られる国際認証マーク。
一方「AQI」は「イタリアの伝統的なレシピを遵守し、イタリアの文化とホスピタリティをお客様に伝える努力をしているイタリアンレストラン」を在日イタリア商工会議所が認定した際に贈られるマークのことを言います。
宇都宮市の宇都宮中央女子高の近くにある「アクア・イン・ボッカ」というイタリアンレストランは、そんな2つの厳しい認定をクリアした、まさに「本場の味」が楽しめるお店。シェフの久保和敏氏は、日本人好みにカスタマイズされたイタリアンではなく、本場の味に近い料理を提供したいという思いから広尾にあるトスカーナ料理の名店「イルブッテロ」で学び、その後イタリア・ボローニャで修業された方。店内はトスカーナのような温かみのある可愛らしい雰囲気で、修業時代のお写真が飾られています。
2021年には関東甲信越地方もゴ・エ・ミヨの対象地域に加わりましたが、栃木県からは4つのレストランが掲載。そのうちの1つにこのお店が選ばれています。
メニューはお任せコースとプリフィックスコースに分かれていて、今回は5,000円のプリフィックスコースを選択。前菜、パスタ、メイン、ドルチェを好きなものから選ぶことが出来ます。この日は非常に暑い日だったので、前菜はさっぱりとしたトウモロコシの冷製スープにしました。朝に収穫したばかりというトウモロコシは甘みが強く、いくらでも飲めてしまうような美味しさ。上にかけられたオリーブオイルもさっぱりしていて良いアクセントになっていました。
続いて出てきたのはイワシとウイキョウのペペロンチーノ。ペペロンチーノと言っても辛さはほとんど感じず、子供でも食べやすい一品です。上にはカリカリとした食感が楽しいパン粉が振られていて、香ばしさもプラスしています。また連れが頼んでいたカルボナーラはリング状のパスタで作られた濃厚な一皿。しかしこちらは胡椒の量が多く、味が濃すぎたのが残念。たしかに本場イタリアの味には近いかもしれませんが日本ではこの塩辛さはウケないでしょう。いつもなら余ったパスタソースにパンを浸けて食べたりするのですが、さすがに今回は遠慮しました。
そしてメインに選んだのは「とちぎゆめポーク」のソテー。ソースはオレガノとにんにくの香りが病みつきになるトマトソースです。まずひと口食べてみてその柔らかさにびっくり。ナイフが必要ないほど簡単に裂けるので、まるで鶏のささみを食べているような錯覚に陥りました。見た目の華やかさは無いもののイタリアを思い出すような味で、なるほどこれは本国が認める料理だと納得しました。
シンプルながら全体的にレベルの高い料理なので、本場の味を楽しみたいのであれば「アクア・イン・ボッカ」は最適なお店と言えるでしょう。コロナで思うように海外へ行けない今、こうした本格的な味が楽しめるお店で束の間のイタリア気分を味わうのもいいのかもしれません。それにしても小さなお店とは言え、シェフ1人でこれだけのプリフィックス
メニューをこなせるのは流石だと感じました。(2021年6月訪問)
レストラン名 | アクア・イン・ボッカ (Acqua in Bocca) |
ジャンル | イタリアン/イタリア料理 |
住所 | 栃木県宇都宮市中戸祭1-12-22 |
TEL | 028-624-9766 |
予算 | ¥5,000~ |
座席 | 20席 |
個室 | 有り |
予約の可否 | 予約可 |