日光東照宮のすぐ近くにあるレストラン「西洋料理 明治の館」。店名に相応しく、木々に囲まれた建物はいかにもな雰囲気を醸し出しています。この店こそ食べログ栃木県グルメランキング4位(2021年7月現在)で、かつ食べログ日本100名店(洋食部門)の人気の洋食店なのです。
この建物は元々、日本に初めて蓄音機を紹介したというアメリカの貿易商F.W.ホーンの別荘として建築された、明治時代の洋館です。太平洋戦争終戦時には当時の外務大臣・重光葵の疎開先として利用され、ここからミズーリ号の降伏文書の調印式に向かったという、まさに歴史的建築物なのです。登録有形文化財にも指定されている石造りの厳かな建物は当時の面影を色濃く残し、なんだか舞台のセットの中で食事をしているような気分にさせられます。暖かな陽が差すテラス席も西洋の雰囲気が漂い、ここが日光の、しかも東照宮の横であることを忘れてしまいそう。
文明開化の時代を感じさせる店内ではメイド服を着た店員さんたちが忙しく働いており、雰囲気だけで言えば明治時代そのものです。メニューも定番のハンバーグをはじめ、お店の看板メニュー「オムレツライス」などどれもレトロな雰囲気を感じさせます。
コロナ禍の中の平日と言うこともあり日光東照宮の境内はガラガラだったにもかかわらず、この店だけは満席でかなりの人が並んでいました。幸い私たちは前もって予約していたので、すぐ席に着くことが出来ました。
しかしながら肝心の味はというと、わざわざ並んで食べるほどのレベルでもないなというのが正直な感想です。今回私は家族3人で訪れて名物のオムレツライスと壺焼きビーフシチュー、そして仔牛のカツレツを注文しましたが、どれもファミレスレベルの味を脱しませんでした。
仔牛のカツレツはどうにもサクッと感が足りず、スープやサラダ、飲み物がついたAセットで3,100円と味の割にはお高め。ビーフシチューも同様で、お肉がゴロゴロと入っていましたが旨味に欠けているのが残念。こちらもAセットで注文して3,800円でしたが、単品でも2,530円となかなか強気な価格設定です。
一方名物のオムレツライスはと言うと、ケチャップ味のチキンライスにふわとろのオムレツとデミグラスソースをかけた一品。いわゆる伝統の味を守り続けているようで、古き良き一皿です。卵に包まれたオムライスとはちょっと違い、明治の館を代表する「オムレツライス」。メニューはたくさんありますが、お店の人はメニューを渡す時にオムレツライスを勧めてきます。大抵の人はオススメされるがままにオムレツライスを選択するので、回転率が高く、20~30分で食べ終えて帰る人も多かったです。いつも混んでいるお店なので、上手く考えたものだなと感心しました。しかしそのオムレツライスも、悪くはないけれど驚きがある料理ではありませんでした。
そうとは言え、日光東照宮から歩いてものの数分であること、文化財に登録されているような建物で明治時代の空気を味わえるというそのコンセプトは他にはない魅力と言えます。もしこの「明治の館」に訪れるなら、是非その雰囲気を堪能してみてはいかがでしょうか。それにしてもロケーションは本当に素晴らしいと思いました。(2021年7月訪問)
レストラン名西洋料理 明治の館 (メイジノヤカタ)
ジャンル | 洋食、西洋料理 |
住所 | 栃木県日光市山内2339-1 |
TEL | 0288-53-3751 |
予算 | ランチ¥1,000~ ディナー¥2,000~ |
座席 | 100席 |
個室 | 有り |
予約の可否 | 予約可 |