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    旅籠 八・・・(わかつ) (近江八幡市/滋賀県)~1日2組極上料理の古民家宿

    八・・・わかつ

    「木の間」のお風呂は庭を眺めながら癒しの時

    「木の間」のお風呂は庭を眺めながら癒しの時

    滋賀県・近江八幡の風情あふれる八幡堀に面して建つ、歴史ある古民家を改装して、2020年11月にオープンした「旅籠 八・・・(わかつ)」。ここの大きな特徴は1棟丸ごと貸し切りで泊まれる、しかも2組限定の宿ということです。古民家といっても内装は快適に改装され、古い良さは上手く残した本格的和モダンな宿なのです。そして蔵を改装したお食事処でのライブ感満載のディナーは、本格派日本料理の料理長による美食の宴。八幡堀と木々の緑を眺めつつ頂く朝食も素晴らしく、思い出に残る滞在ができる古くて新しい宿なのです。2021年8月に実際に離れの1棟貸し「木の間」に滞在した著者が、ここでの滞在のすばらしさをご紹介します。

    築190年の古民家を改築して2組限定 1棟貸しの宿

    八幡掘を見渡せる「木の間」が断然おすすめ

    八幡掘を見渡せる「木の間」が断然おすすめ

    築190年という歴史ある建物を改装して生まれた宿「旅籠 八・・・(わかつ)」。滋賀県の城下町、近江八幡の八幡堀沿いに建ち、昔のムードも満点。水辺にあって緑豊か、夏とあって蝉やカエルの鳴き声が響き渡ります。古い商家のクラシックな良さを存分に残しつつ、とても快適に直してあるのです。本格的に和モダン。気分は田舎のおばあちゃんの家に夏休みで来たけど、なぜか高級旅館でのステイ気分という不可思議な居心地の良さなのです。
    この宿は2つの客室と蔵を改装した食事処、オシャレなカフェのような茶房からなっています。2部屋といっても、そのひとつは私たちが泊まった離れの1棟貸し「木の間」。八幡堀に面した建物丸ごと貸し切りなのです。なんとその広さは96.34㎡で、その名の通り木のぬくもりを感じる設計です。

    「木の間」のユニークな空間でまず抹茶でのもてなしを

    「木の間」のユニークな空間でまず抹茶でのもてなしを

    大きな湯船は高野槇の桶風呂で、手足を伸ばしても十分な広さで、追い炊きできる優れもの。シャワーは今風の心地よいレインシャワーも付いています。旧家を改装したため仕方がないとはいえ、小さな部屋がいくつもあったり段差があったり使い勝手がいいとは言えません。でも八幡堀をいつも眺められるロケーションの良さは、すべての難を打ち消すほどのメリットです。ただ障子を開けるとすぐ外で、網戸がないので虫が入って来そうで怖くて開けられません。そこまでうまく改装するのは難しいのかもしれません。
    もう一つの部屋は「石の間」といって荒々しい土壁を残し、鞍馬石をくり抜いた岩風呂があるそうです。こちらは部屋の広さは42.41㎡とのこと。
    いずれの部屋でも部屋とレセプションのやり取りは、iPADでのLINEにて。急ぐ場合はLINE電話でやり取りします。この辺りも新しい宿ならではでしょう。

    本格的料理人によるライブ感あふれる日本料理に感動

    これから近江牛の冷しゃぶを作ります、と料理長

    これから近江牛の冷しゃぶを作ります、と料理長

    ディナータイム。蔵を改装した日本料理「溜ル」のカウンターへ、黒っぽくてしっかりしたワンピース型の部屋着で向かいます。当然カウンターには2組のゲストしかいません。それでも料理長とアシスタント、サービス係の人々が専属でお世話してくれます。蔵の内部は昔のままのムードを残すようにうまく改装されています。京都で料理人をしていた料理長が2020年11月の宿オープンの際にオーナーから声を掛けられて来たそうです。オーナーは他にもブライダル関係の会社も経営しており、そこにいたというスタッフがサービス係としてお世話してくれます。黒子みたいな服装の男性で、丁寧できめ細やかなサービスで居心地よかったのです。

    カマスの寿司に炭で焼き目を付ける

    カマスの寿司に炭で焼き目を付ける

    カウンターでは目の前で繰り広げられる料理長のライブ感あふれる料理を楽しめるのです。まずは比叡山の杉で作ったぐい呑みでまろやかになった中硬水を頂きます。そして長浜のコシヒカリの煮えばなを少々。自分たちで田植えまでしたそうです。朝採れのトウモロコシを生と炭焼で。生も甘くてジューシーなことに驚きます。冷たい茶わん蒸し、豪華な八寸、カマスのお寿司と続きます。お寿司のカマスの皮に炭で焦げ目を入れたり、演出もワクワクするものの連続。近江牛のたたきは、2年連続日本一を獲ったという牛舎のお肉だそうで、ゴボウとワサビと一緒に食べるとまた美味しさが際立ちます。魚料理を挟んで、今度は藁焼きと冷しゃぶで近江牛尽くしです。せっかくなので地元産の食材で美食を堪能してほしいという料理長。いろいろ楽しませてもらいました。

    インスタ映えする城下町「八幡掘(はちまんぼり)」

    小舟で水郷めぐりのツアーはおすすめ

    小舟で水郷めぐりのツアーはおすすめ

    近江八幡の水郷に張り巡らされた水路、八幡堀。豊臣家の2代目関白・豊臣英次の居城八幡山城の堀として、かつては人や物資が行き交い活気に溢れていたところ。土蔵や石塀など古い家並みが今なお残り、レトロなエリアとして観光客にも人気のスポットです。春には水路沿いに桜が咲き誇るというから見逃せません。

    かつては琵琶湖に繋がり物資を運ぶ舟が行き交った水路

    かつては琵琶湖に繋がり物資を運ぶ舟が行き交った水路

    そんな近江八幡の風景を小舟に乗って船上から楽しめるのが「八幡堀めぐり」というボートツアー。お堀端の舟乗り場で予約して次の乗船時間をチェックします。出発時間になるまでは周辺のカフェで時間をつぶしたり、お土産を買いに行ったりします。
    10人乗り位のエンジン付きの屋形船は、靴を脱いで敷かれたゴザと座布団の上に座ります。ゆっくり進む船上から、水路の両岸に連なる石積みや土蔵、家並みや木々の風景を、アナウンスを聞きながら楽しむ情緒あふれるひと時です。

    日牟禮八幡宮と「たねや」

    古くから近江商人の守護と言われる日牟禮八幡宮

    古くから近江商人の守護と言われる日牟禮八幡宮

    平安時代に建てられたという古い歴史を持つ日牟禮八幡宮。くぐると災難が去るという言い伝えがある猿の彫刻がある楼門をくぐり、中へ入ります。長く近江商人を見守ってきた守護神として篤く信仰されてきたそうです。宿から近いので、空き時間に観光しました。
    八幡堀の周辺にはレトロな建物を改装したお洒落なカフェや老舗の酒造、お菓子屋さんなどが軒を連ね、散策するのに飽きることがありません。

    風格あるたねや日牟禮茶屋は甘味で有名

    風格あるたねや日牟禮茶屋は甘味で有名

    中でも有名な「たねや」は町屋を改装した茶屋での食事もできますが、甘味処としてお土産を買うのに最適です。格式ある店構えに風格を感じる暖簾がかかっています。焼きたてのつぶら餅やあんみつなどの和菓子がたくさん並んでいます。片や近くにあるのが「たねや」よりも今や有名なたねやグループの洋菓子店「クラブハリエ」です。しっとりした食感が大人気で売り切れてしまうことが多いバームクーヘンや、様々なオリジナルケーキが並びます。夕方に行ったら売り切れだったバームクーヘンを、私も翌朝早めに行ってやっとゲットできたのです。ホールで買うと、季節限定の可愛い箱に入れてくれました。この箱は今でも小物入れになって重宝しています。

    宿データとまとめ

    竹などの木を活かした和モダンなパウダールーム

    竹などの木を活かした和モダンなパウダールーム

    宿データ

    旅館名旅籠 八・・・(わかつ)

    住所滋賀県近江八幡市玉屋町6
    TEL0748-36-2745
    開業2020年11月
    アクセスJR近江八幡駅から車で約10分
    お風呂部屋風呂のみ。1つは檜の風呂、1つは岩風呂。
    予算石の間 2名1室の場合1人 47021円~(2食付き) 木の間 2名1室利用の場合 1人 62700円~(2食付き)
    日本料理「溜ル」カウンター8席 個室6席 現在は外からのゲストを含め2組まで。季節の献立 26620円~
    八幡堀を眺め、蝉しぐれの中の朝食タイムも忘れ難い

    八幡堀を眺め、蝉しぐれの中の朝食タイムも忘れ難い

    まとめ

    いかがでしたか?「旅籠 八・・・(わかつ)」で味わえる昔懐かしいような居心地が良くて不思議な空気感の一端に触れてもらえたでしょうか?190年の時を超えて近江八幡の古民家宿が醸し出す風情。一度は訪れて味わってみてほしいと思います。

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