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前菜の車海老の料理にオプションでキャビアを追加
パリでお店をオープンし、わずか1年3カ月で1つ星をとった日本人シェフ吉武広樹氏。2014年には「REDU-35」でグランプリを受賞するなど輝かしい実績の持ち主です。そんな吉武氏が帰国して福岡で新しく開いたレストランこそ、今回私がご紹介する「Restaurant Sola」なのです。
スピード感がいい
調理風景が見られるカウンター席がオススメ
「Restaurant Sola」があるのは天神からタクシーで5分ほどの場所にある「ベイサイドプレイス博多」の2階。階段を上がるとまず出迎えてくれるのはミルキーウェイという託児所で、「えっここで合ってるよね?」と思わずキョロキョロ。しかし気にせず奥へ進んでいくと託児所の雰囲気から一変、オシャレな雰囲気のレストランが現れます。大きな窓ガラスがある店内は広々としていて開放感抜群。夜には福岡の夜景も見渡せて、デートにもぴったりなレストランです。
今回私が案内されたのはカウンター席の一角。「Sola」ではキッチンがオープンスタイルになっていて、調理の工程をライブ感覚で楽しむことが出来ます。広い店内には計40もの席があり、厨房ではその分たくさんのスタッフが調理をしていました。

フォアグラは穴子天ぷらと。リンゴと山椒がアクセント
私が確認できただけでも厨房スタッフとサービススタッフ合わせて10名以上…これだけたくさんの方がいたらゴタゴタしそうなものですが、一人一人役割を理解しているので皆さん流れるように作業しているのが印象的でした。事前に申告していた苦手食材もしっかり伝わっていましたし、何より創作性溢れる凝った料理をスムーズに提供できるそのチームワークにびっくり。
普通高級レストランに来ると料理と料理の間隔が長く待たされることがほとんどですが、「Sola」ではテンポ良く次の料理がやって来ます。
ユニークな料理の数々にびっくり!

アミューズの一部。いくらの料理が一際目を惹きます
「Sola」は夜の営業のみで料理も11,000円のコースのみ。アミューズは計5品も出されるのですが、まず出てきたのは「いくら」「秋刀魚」「ホロホロ鳥」「バターナッツ」の4品です。特にお店の定番メニューともなっている「いくら」の料理がユニークで、スティック状にしてカリッと揚げた春巻きの皮の上に、いくらを1列に並べるというなんとも手間のかかりそうな一品。下にはアボカドのクリームが敷かれていて、料理としても美味しいですが何より箸置きに乗せられて運ばれてくる演出のユニークさが気に入りました。
またわざわざ後から運んできたもう一つのアミューズ「鰹」も「Sola」を語る上で外せない料理です。蓋の付いた細長い木箱は、開けると中から煙がもくもく。燻製の良い香りが鼻孔をくすぐります。中には藁焼きされたカツオと焼きナスが。上には刻みワサビが振られ大葉のソースと共にいただきます。藁の風味がふわっと香るカツオは火の通りが絶妙で、焼きナスの苦みと相性も抜群。

最高に美味しかったカツオと焼きナスの料理
また前菜で出てきた仔牛のカルパッチョは見た目にも華やかな逸品です。付け合わせはスライスされたマッシュルームとレンコン、サツマイモ。ソースはなんと4種類も用意されていて、薪焼きキノコのソース、バジルのペースト、レモンクリーム、ワサビが添えられています。ボリュームはかなりあるのですが、いろんな味で楽しむことが出来るので最後まで美味しく食べられました。
そして魚料理はフレンチとしては珍しくフグを使用。焦がしバターのソースで味付けされたこの料理ですが、「少し食べたらこれを入れてみてください」と言って渡されたのがなんとスダチ、大葉、ミョウガなどの薬味。え、そんなの入れたら一気に和食になってしまうんじゃ…そんな風に半信半疑になりながら入れてみると、今までに食べたことの無いような風味へと変身。不思議と和食感も薄く、洋風のソースにスダチの爽やかな酸味が良いアクセントになっています。「Sola」の料理にはそんな「わっ」と思わせるようなユニークな発想やわくわくする演出が込められているのです。
循環型のレストランを目指す

テラス席の横に自家菜園が!
最近あらゆるところで聞くようになった「SDGs」という言葉。「Sola」もそんな環境問題、食の問題に真摯に取り組むレストランの一つです。実は料理に使う野菜は出来る限り自分たちで育てているそう。実際テラスにはトマトやナス、ネギなどなどたくさんの野菜が植えられていました。農家レストランであれば自分たちで育てた採れたて野菜を使って料理する…というのはよくありますが、テラス席のスペースを減らしてまで自家菜園にあてている都会のお店は初めて見ました。

メインの鴨肉はチコリのサラダと
収穫した野菜から種を取って、それをまた植える…うちはそんな循環型のレストランを目指しているのだと、楽しそうに話してくださる店員さんの姿も印象的でした。たしかにいま問題になっているフードロスを避けるのにこの方法は効果的でしょう。自分たちで育て、その日必要な分だけ収穫する…まさに理想的なレストランの在り方なのかもしれません。
データ
メインの時に使ったユニークなナイフ。包丁みたい!
店名 | Restaurant Sola (レストランソラ) |
ジャンル | モダンフレンチ |
住所 | 福岡県福岡市博多区築港本町13-6 ベイサイドプレイス博多 C館 2F |
電話番号 | 092-409-0830 |
席数 | 40席 |
個室 | 無し |
予算 | ¥11,000~ |
予約 | 予約可 |
お店HP | https://sola-factory.com/ |
お店MAP
まとめ

デザートも2種類出てボリューム満点です
「Sola」の料理を食べていくうちにふと感じたのが「使っている食材は日本らしいものが多いのに、食べてみると全く予想していなかった味が広がる」ということです。しかもどれも手が込んでいて見た目にも美しいものばかり。プティフールも含めると全13品という大充実のラインナップでしたが、2時間かからずに終わったのもスタッフさんの手際の良さのおかげでしょう。またこれだけの料理を11,000円ほどで食べられるというコスパの良さも素晴らしい。美食店がたくさん集まる博多ですが「Sola」はグルマンにもオススメしたいレストランです。(2021年9月訪問)