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都会の有名店もいいけれど、地方にあるまだ誰も知らないような美味しいレストランを発掘するのが最近の楽しみの一つ。今回私が見つけたのは大分県臼杵市という田舎にある小さなフレンチレストラン「mikangura」です。ミシュランやゴ・エ・ミヨはもちろん、食べログにも口コミが投稿されていない。ネットでも情報が少なく行ってみるまでどんなお店なのか分からない…そんな田舎のレストランをたまたま雑誌で見かけたので思い切って行ってみました。
田園風景の中にある可愛らしいレストラン
大分市から臼杵市に行く途中の田園風景の中にある小さなフレンチレストラン「mikangura」。田んぼの中に突如として現れた看板に従って細い坂を上って行くと、可愛らしい一軒家レストランが迎えてくれます。
ここは元々ミカンを貯蔵するための蔵として使われていた建物を改装しているそうで、店名もそのまま“みかんぐら”。2020年10月にオープンしたばかりの新しいお店なんだとか。
シェフは京都の宇治出身。臼杵市とは縁もゆかりも無いそうで、たまたまこの地でお店を開くことになったのだと言います。
店内は可愛らしい小物がたくさん飾られていて女性が喜びそうな空間。入口ではオシャレなアクセサリーも販売しています。
良心的なランチコース
メニューは月ごとに変わるそうで、私が訪れた10月はちょうどハロウィン用のメニューになっていました。コースはいくつもあって、一番安いもので1,800円からいただけます。私が今回選んだのは2番目に高い2,800円のコース。それにフォアグラを+1,000円で追加しました。
「mikangura」の魅力の一つに、料理の融通がかなり利きやすいことが挙げられます。シェフと奥さんの2人だけでやっておられるので、「メインをお肉じゃなくて魚に変更出来ますか?」「濃い味付けが苦手です」と伝えると「かしこまりました!」と臨機応変に対応してくださいました。本当であれば魚ももう少し濃厚なソースだったのが、フュメ・ド・ポワソンという魚の出汁を使ったあっさりとしたソースに!来店してその場で伝えたのにもかかわらず、ここまでして下さるとは…高級レストランでも滅多に見られないサービスです。
本格フレンチにびっくり!
もちろん素晴らしいのはサービスだけではありません。「mikangura」ではこんなド田舎とは思えないほどレベルの高いフレンチが楽しめます。
特に気に入ったのがアミューズのあとに出てきたマグロの前菜。火を加えていないマグロに合わせるのはジャガイモです。ソースは竹炭を練り込んだ黒いマヨネーズと、ビーツのさっぱりとしたソース。上にはカラスミのパウダーをアクセントに散らしています。ハロウィンらしく華やかなお皿で、創作性も感じます。味もよくまとまっていて、マグロをマヨネーズと食べるのもありだなぁという気持ちにさせられました。
次いで出てきたのはハロウィンらしいカボチャの冷製スープ。上にはトランペット茸やアマランサスを浮かべていて、クリーミーで自然な甘さが良い。シェフの丁寧な仕事が伝わってくるようなお味でした。
また連れがメニューを変更してもらっていたイトヨリの料理は、さっぱりとキュウリの蒸したものと合わせます。「薄めの味付けで」という要望通りあっさりとしたソースが淡白な味わいのイトヨリとよく合います。
この日は私たちの他に3組ほど入っていましたが、それでも特別待ち時間が長いということも無く、程よいテンポで食事を楽しむことが出来ました。
データ
店名 | mikangura(みかんぐら) |
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 大分県臼杵市大字藤河内1996 |
電話番号 | 0972-72-1284 |
予算 | ランチ¥1,800~ |
席数 | 24席 |
個室 | 無し |
予約 | 予約可 |
お店HP | 無し |
まとめ
全国的にはまだまだ知られていませんが、「mikangura」は大分の人を中心に愛される、隠れた名店になりつつあります。
なにより、お客さん一人一人を大事にして頑張っている姿勢が素敵ですので、機会があれば立ち寄ってみてはいかがでしょうか。わざわざ訪れる価値のあるレストランですよ。(2021年10月訪問)