店名のL’EAU(ロー)は、フランス語で水を意味します。食べログ3.89(2021年11月現在)という人気のお店です。
外苑前の駅から徒歩数分、入口や地下にある店内もモノトーンで少し暗め、シックな隠れ家のような雰囲気です。シンプルな店内には、とても素敵な流木で作られたオブジェが飾られていて、それが唯一のアクセントです。
本日は、ランチで7皿、7.150円のコースをいただきました。
アミューズは、海と山をイメージした箱庭のようで、メニューには水 葉 樹と書いてあります。どこまでが食べられるものかわからず、説明を聞いてようやく食べられました。貝殻をスプーンのようにして食べる炭火で焼いた鱧とミョウガの入ったつるんとした食感のコンソメで味付けた透明なトマトゼリー。薄い生地に巻かれた鱈とハーブ、本物のどんぐりの中に、1つだけフォアグラとポルト酒とカカオで作られた「食べられるどんぐり」の3種でした。
一皿目の前菜は、炭も纏わせた秋刀魚、荏胡麻、新生姜を大根のピクルスで巻いているのですが、魚卵やオクラ、パールオニオンのピクルス、ツルムラサキの花、ビーツのクリームなどでとっても華やか。荏胡麻をフレンチで食べたのは初めてでしたが、食材を見ただけでは想像がつかないほど美しく、さらに味付けも爽やかで、食欲が増進される前菜にふさわしい一皿でした。
二皿目の前菜は、瞬間燻製した鰻の白焼きと揚げた菊芋とペーストの菊芋、ペーストは、牛のコンソメが入っていてフォアグラのような濃厚な味付けでした。この料理は、あえてスペシャリテとはうたっていないけれど人気のある定番のお料理なのだそうです。
魚は、弾力のあるアオハタ。つぶ貝を細かく切ってうまみを抽出したソースやきのこ類、上には、黒米のチップ。チップの裏側に青柚のペーストが忍ばせてあって味に変化をつけています。
肉のいばり仔豚は、イベリコ豚をもじっている面白い名前のブランド豚です。シェフが1番美味しい豚肉と思い使用されているそうで、確かに味わい深い噛みしめたくなる仔豚でした。ロース肉のさしの部分の脂身は、融点が低くて口の中でゆっくりと溶けます。マッシュルームパウダーや、フォンドボーをベースにしたソースに台湾などで良く使われる香辛料の馬告、ごぶみかんで少しエスニック風と説明があったけれど、添えられた茄子のエスプーマやハーブのマリーゴールドのどれも味が強すぎることなく、美味しい仔豚の味が際立っていたのが良かったです。また、添えられた茄子料理の上には、茄子のキャラメリゼが載っていました。さつまいものチップスのような甘めの味も印象に残りました。
デザートは、マンゴーのムース。上にはアップルマンゴー、パッションフルーツのソースが添えられて残夏にふさわしい一品でした。
食後の珈琲の後に出た茶菓子、今度は、苔 緑 茸と書かれていて、苔に見立てた抹茶のパウダー 、本物と遜色ない葉っぱに見立てたチョコレート、 3つくらい食べたかったきのこに見立てたキャラメルとサブレクッキーで最初のアミューズのように手の込んだ3種でした。
帰りがけお店の入口に、それまで店内の厨房にいたシェフが突如現れて驚きました。それで気付いたのですが、キッチンはお客さまをお見送りできるように2方向から出入りできる造りでした。
清水崇充シェフは、池袋東長崎にある実家のフランス料理のお店で15年、そのあと三笠会館のイタリアンで修業をされたそうです。2018年にオープンしたL’EAU。ここでいただいた料理は前菜の2種は他では食べたことのない繊細な味。このお店の料理はシェフの感性から産み出された独自のものなので、ぜひ一度試してみてください。 (2021年9月訪問)
レストラン名L’EAU (ロー)
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 東京都南青山2-14-14南青山KFKビルB1 |
TEL | 03-5843-0140 |
予算 | ランチ4.950円(平日のみ)〜 ディナ-13.200円~ |
座席 | 20席 |
個室 | 無 |
予約の可否 | 可 |