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    レストラン リュウ(フレンチ/明和町/三重県)~陶芸家でもあるシェフは魚まで自分で一本釣り!

    レストランryu
    シェフの生み出す陶芸品は味わいがある

    シェフの生み出す陶芸品は味わいがある

    地方レストランに行くと、地産地消で地元の野菜や魚を使って料理するシェフはよく見かけるようになりました。しかしこのレストランは単に地産地消ではありません。シェフが魚を自分で一本釣りしてきたり、もう一歩も二歩も先をいく地産地消なのです。
    しかも陶芸家でもあるシェフは自分ですべてのお皿からコーヒーカップまで作られるのです。自分で作る料理をイメージしながら季節ごとのお皿を焼くというから本格的です。
    11月のとある平日のランチ、12:00一斉スタートに合わせて「レストランリュウ」にお邪魔しました。

    シェフの陶芸作品がズラリ

    こんな作品もある

    こんな作品もある

    三重県明和町のお店に着き店内に入ると、そこでまず目を引くのが陶器のお皿やカップ類の展示品です。温かみのあるセンスもいい作品が並べられているのです。実際のその中のコーヒーカップで最後にコーヒーを頂いた私たちは、気に入って帰り際、購入したほどです。今でも自宅でコーヒーを飲むときに愛用していて、その度にこのお店のことを思い出します。

    天窓もあって明るいお店

    天窓もあって明るいお店

    シェフが特にこだわっているのは、十寸を出すお皿だそうです。十寸とは、日本料理の八寸をもじって、このお店の定番メニューであるシェフ考案の「十寸オードブル」のことです。たくさんの野菜中心の前菜を並べるために、料理とベストマッチなお皿をイメージして、その季節ごとに造るのだそうです。その日出してくださったのは秋らしく紅葉柄の味わいのある大きなお皿でした。

    3800円のランチコースの内容は?

    最初のスープも味わいあるお椀で

    最初のスープも味わいあるお椀で

    12:00一斉スタートのランチは5品3800円というかなりお手頃なコースを選びました。ディナーも宿でしっかり食べないといけないので、ランチまで重くすることができないから、一番軽そうなのを選んだのです。
    結果的には適量でとっても満足のいく内容でした。でもその日計10名のゲストのうち私たち3人以外は皆さんもっと高いコースを選んでいたようで、途中でうちのテーブル内容が変わりました。

    それぞれの美味しさが引き出された野菜たち

    それぞれの美味しさが引き出された野菜たち

    シェフは1皿ずつ皆の前で料理の丁寧な説明をします。声量もありまさに「リュウ劇場」といった感じです。最初のうちは全員の前で料理の説明を大きな声でするシェフ。それが途中からうちのテーブルだけ個別に来るようになりました。明らかに品数が少ないので、ちょっぴり気まずい感じ。(笑)
    コースの構成はスープ、十寸オードブル、リゾットとここまでは皆さんと同じ。そのあとメインとデザートになりますが、他のゲストは魚、お口直し、肉料理、デザートとなって、肉料理などのグレードも高そうです。
    でも私たちには頼んだコースがちょうど量的にも理想的でした。

    シェフ考案の十寸オードブルがすごい

    シェフの説明書きも

    シェフの説明書きも

    まず最初に出たのは温かいスープです。伊賀の土から作ったというお椀で頂く大根と高菜のカプチーノ仕立てのスープ。滋味深く温まります。
    次がいよいよ十寸オードブル。主役は明和町産の野菜たちで、ひとつひとつの野菜の個性を知り別々に調理して本来の味を引き出してあるのです。それが食材に対する「愛」だとシェフは説明書きに書かれています。

    可愛い魚のマークは陶芸品にも付けられている

    可愛い魚のマークは陶芸品にも付けられている

    11月の野菜は冬瓜をウコンのブイヨンで黄色に染めたもの、ハヤトウリ、カボチャのコリンキー、ロマネスコ、食物繊維が豊富なヤーコン、パープルカリフラワー、低温調理で食感を残した蕪、グラニュー糖で炊いた紅あずま、柔らかく炊いてペースト状にした海老芋、丹波の黒豆。珍しいものばかりが並びます。野菜の他にはシェフが一本釣りで獲って自らすぐに神経〆めし、2週間熟成させた鰆、松阪牛の4時間煮込んだラグーのブルスケッタが添えられています。皿にこだわり、野菜にこだわりぬいたシェフの力作に他なりません。

    命のブイヨンのリゾットとは?

    これも自信作!絶品リゾット

    これも自信作!絶品リゾット

    次に出されたリゾットは、「命のブイヨン」のリゾットです。みいと米という厳選されたお米で作られ、三重の鶏の味の濃い骨付きスネを使って昆布や香味野菜、チーズを旨味で加えて、冷蔵庫の中でプルンプルンに固まるほどの旨味を引き出したブイヨンで煮込みます。秋はウスヒラタケを使って、トリュフの風味を加えたソース。上にはチキンの胸肉を低温でしっとり焼き上げて載せてあります。少し胡椒が効きすぎてブイヨンの旨味がわかりにくい気がしますが、美味しいことには変わりがありません。

    松阪牛のクネルリヨネーズ

    松阪牛のクネルリヨネーズ

    肉料理はクネルリヨネーズという肉団子の繋ぎの入っていない煮込みハンバーグ風。本場リヨンではザリガニでソースを取るそうですが、トマトで色味を付けています。2時間近く前からゆっくり焼き上げていたそうです。松坂牛だそうで、さすがに旨味があります。
    最後のデザートは九十九里カボチャのモンブランと栗のクリームを薄く切ったパウンドケーキに載せて。一緒に頂くアッサムティーは、本格的に砂時計できっちり時間を計って、1杯目はストレート、2杯目はミルクティで。すべてシェフが詳しくアドバイスしてくれ、その通りに頂くと本当にホッコリするほど美味しかったのです。

    データとまとめ

    デザートも紅茶も最高の状態で頂きます

    デザートも紅茶も最高の状態で頂きます

    データ

    店名レストラン リュウ
    ジャンルフレンチ(フランス料理)
    住所三重県多気郡明和町金剛坂776−21
    電話0596-52-6440
    席数12席
    個室なし
    予約完全予約制
    予算ランチコース 3800円~ ディナー コース6600円
    お店のwebサイトhttp://www.restaurant-ryu.com/


    モンブランはサツマイモで、栗は下のクリーム!

    モンブランはサツマイモで、栗は下のクリーム!

    まとめ

    シェフの料理はまさに明和町の地産地消。ローカル色溢れる料理を熱い物は熱々で最高に美味しい食べ方で出してくれました。1人で何でもやるシェフは忙しいでしょうに、魚を釣りに行ったり、お皿を焼いたり、本当にタフだと思います。いろんなことをすることを楽しんでおられるようにも見えました。シェフが楽しんで料理されていると、食べる方にも楽しさが伝わってくる、そんな料理でした。購入して帰ったコーヒーカップ、ゆっくりコーヒーを淹れて大切に使っています。
    (2021年11月)

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