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生田神社にほど近く、神戸のフレンチの人気店「エスピス」がありました。12時の開店前に、店の前で待つゲストが2組。時間少し前にお店が開いて中に入ると、テーブル5卓、カウンター数人で、結局すぐに満席となりました。やはりかなりの人気店です。
店の大きさの割に6名ものスタッフがいて、江見常幸シェフもテーブルまで出てきて応対してくれるのです。ここの料理がいかに遊び心満載でレベルの高いフレンチだったか、12月に訪問した詳細レポートをご紹介いたしましょう。
ランチコースとペアリングメニューについて
ランチで頂いたのは7皿6000円のコースです。とはいえ最初に出るアミューズは5種類も出るのに1皿と数えます。かなりバラエティに富んだ内容です。アミューズの次に前菜が2皿、魚料理と肉料理が出てデザートとミニャルディーズという充実したコースです。
シャンパーニュとワインが3グラスのワインペアリングが3800円(税込み)で、昼間からあまりたくさん飲めない人にはちょうどいい設定です。私は2杯がちょうどなので、3ドリンクのうち1つをソフトドリンクにしてもらいました。シャンパーニュとオーストリアの白ワインと、最後は赤ぶどうジュースのスパイシーにアレンジしたものでした。別途ノンアルコールペアリング4グラスというのもありました。お酒が飲めない人も楽しめる工夫は今や気の利いたお店の定番ですが、ここでもちゃんとやっておられました。
とっても豪華なアミューズに感動の開幕
コースの最初にアミューズが出ました。・・・といっても一皿か二皿出るのではなく、どんどん運ばれてテーブルがいっぱいになるほど。かなりゴージャスで見た目に美しく、どれもが工夫されていて美味しいものばかり。
①クリームチーズの上にマスの卵と青りんごソースで付けた模様がきれいです。シャンパーニュにベストマッチの美味しさで、最初からうっとり。
②石の上に置かれたのはポルチーニ茸のシフォンです。乾燥させたセロリのチップが載せられています。
③カボチャのチップに西洋わさびのクリーム、くせのない熟成ハードチーズであるコンテチーズをふりかけて。
④ニンジンのタルトはモンブランのようです。ニンジンとオレンジのムースとクミンも合わせています。
⑤一番気に入ったのは焼き茄子のムースとビーフコンソメに雲丹が入ったもの。大好物が口の中で夢のハーモニーを奏でます。
これだけの引き出しをフルに使って、でもまだまだ序の口ですよというシェフの余裕が感じられます。
美しくてもちろん美味しい前菜たち
前菜の一皿目は鰆です。切り身に合わせるのは発酵大根、西洋わさび、青りんごソースとメレンゲ。ナスタチウムを添えて。ソースがこってりクリーミーでなくサラッとしているのに味わいがあるのが特徴的で、大変好みです!!
次は香住カニ。薄く切ってお酢でマリネした食感シャキシャキのビーツをバラの花びらのように盛り付けて、その中にカニの身とアボカドとリンゴを混ぜて入れ、キャビアのサラッとしたソースをかけてあります。お皿にビーツのパウダーで模様を描いて見た目にもアートな一皿です。もう最高!
次はSDG’s再生のブランマンジェです。これはどういうことかというと、バゲットを柔らかくして再生。ジャガイモのスープに入れて塩コショウの泡を添え、優しい味わいの一品に。フードロスを防ぐ発想が今どきです。
出てきたパンは確かにバゲットで、タピオカパウダーの入ったムース状オリーブオイルとほうじ茶を練り込んだバターを出してくれます。
ゲストに出し切れないバゲットが再生されるわけです。
魚料理はアンコウをベーコンで巻いて優しくローストしたものと、肉料理は亀岡の鴨肉です。どちらも食べやすくいい味です。
アミューズ、前菜が驚きに満ちていて、むしろメインディッシュが美味しいのに普通に見えてしまいました。
毒リンゴのデザートに興味津々
最もインパクトのあったメニューはデザートに登場しました。その名は「毒リンゴ」青黒いリンゴと血のような赤。おどろおどろしい盛り付けです。
ここでスタッフがリンゴに切り目を・・・・・切るとフニャっとした焼きリンゴにジャスミンのムースやゼリー、リンゴとシナモンのアイスが入っています。かなり面白い発想で、映えるので皆さん動画を撮っています。
ただひとつ気になったのは、スタッフの方々は忙しいのか、ゲストとの会話がなく、毒リンゴです…といって説明はするものの、盛り上げるようなトークはなし。シェフも特に最後まで会話を楽しむ雰囲気ではなく、全体的に淡々とした都会的な店だと感じました。それだけが残念な点といえるでしょう。
そういえばテーブルに刺さっている肉用のナイフといい、インスタ映えする趣向がいろいろあって、女子の客層をしっかり掴んでいます。若い客層が多い印象ですが、かといって味付けが濃いということはなく、ちょうどいい味付けなのも嬉しいところ。
ちょっと面白くてでも美味しいお店として、友人に自慢できそうです。
(2021年12月訪問)
まとめとデータ
まとめ
驚きや遊び心もあって、味は超一流の美味しさ。そんなフレンチが神戸にあったのです。縁結びのご利益もあるという生田神社が近いので、参拝の後にぜひランチの予約をしていくことがおすすめです。
それにしてもすごく忙しそうなお店なのに、シェフがしょっちゅうホールに出て来ていたのが不思議です??最後のお支払いの際もシェフが対応しておられました。厨房は大丈夫なんでしょうか??(笑)
データ
店名 | エスピス |
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 兵庫県神戸市中央区中山手通2-3-25 メゾンエスプリ生田1-1 |
電話 | 078-333-1919 |
席数 | 26席 |
個室 | なし |
予約 | 予約可 |
予算 | ランチコース 6930円(税込み)~ ディナーコース 13860円(税込み)~ |
お店のWEBサイト | http://espice.meiwa-kobe.jp/ |