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東京、しかも六本木で本格的なお寿司を食べようと思ったら、お会計は一体いくらになってしまうのでしょうか。地方に行けば安くて美味しい寿司屋なんていくらでもありますが、こと東京において真に美味しい寿司屋を探そうと思ったら、相当の値段を覚悟する必要があります。そもそもそういったお店はほとんど接待用で、友人や家族と気軽に行くような場所では無いのかもしれませんが…。
しかし東京でだって美味しいお寿司が食べたい!そんな中で見つけたのが六本木にある「鮨 由う」というお店です。
初心者にもオススメの寿司屋
「鮨 由う」は六本木にひっそりと佇む寿司の名店。2016年にオープンし、初年度にミシュラン1ツ星を獲得。食べログにおいても2021年に百名店とブロンズに選出されるなど高い人気を誇っています。
六本木の一等地で本格的な寿司を食べようと思った場合、相場としてはランチで2万円から、ディナーで3万円からとかなりお高いです。しかし「鮨 由う」では大体その半額ほどでお寿司を楽しむことが出来るため、初心者でも比較的訪れやすいお店となっています。
今回私はランチの13,200円のお任せコースを予約。前菜数品に加え寿司12貫が出る満足度の高いコースです。またオプションになってしまうのですが追加オーダーも可能で、その日の仕入れに応じた最高の一皿を提供してくれます。私が訪れた日は「蒸しアワビと雲丹」や「カマトロの炙り手巻き」、「車海老」などのオプションがあり、誘惑に負けていくつか追加注文してしまいました(笑)
メディアに引っ張りだこ!名店の楽しいパフォーマンス!
実はTV番組など様々なメディアでよく見かけるこのお店。TBS系列のバラエティー番組「ジョブチューン」では、回転寿司チェーンのお寿司を名店の寿司職人が「合格」か「不合格」かジャッジするという企画があるのですが、大将の尾崎淳氏はその審査員役としてよく出演されているのです。
お店によっては料理の写真すらNGと言っているところもありますが、「鮨 由う」は完全に真逆。メディア慣れしているからかサービス精神旺盛で、カメラを向けると決めポーズまでしてくれます。特に笑わされたのが「スタジオから持って帰って来た」と言って取り出した「合格・不合格」の札。コースの途中で急に撮影タイムが始まり、看板メニューと共に「合格札」を掲げバッチリ一人一人カメラ目線で写真を撮らせてくれるのです。
ユーモア溢れるのは大将だけではなく、その一番弟子と思われる方も一緒になって撮影を盛り立てます。なんでも採用条件に「カメラを向けられたらポーズをとれる人」とあるらしく、皆さんノリノリで撮影に応じてくださるのが面白かったです。
大抵のお寿司屋さんは厳しい大将と黙々と作業をするお弟子さんがいて、カウンター内はどこかピリピリと張り詰めた空気がするものです。しかしここでは師弟関係も和やかで、笑顔でやり取りをしている様子が見ていて気持ち良かったです。
こだわり寿司を堪能
もちろん「鮨 由う」の良さは値段の安さやそのユニークなパフォーマンスだけに留まらず、その味も一級品です。寿司の要である魚は特定の産地にはこだわらず、大将が毎朝豊洲市場へと出向き最高品質のものを自ら厳選。確かな目利きで最高のお寿司を提供しています。
まず出てきたのは「嶺岡豆腐」という牛乳やトウモロコシを加えたなめらかな豆腐ともずく酢、そしてワカメです。見た目は地味ですが一つ一つ洗練された味で、シンプルだからこそ違いがはっきりと分かります。
また前菜で出てきたメヒカリの揚げ物も美味。今が旬のメヒカリは一夜干しにしてから唐揚げに。スダチを絞っていただきます。その身は驚くほど柔らかく、魚とは思えないほどジューシーでした。
握りは12貫で、特に美味しかったのが鰆とシマアジ。どちらも脂が乗り柔らかく、この時期ならではの旨味を味わえました。
オプションで頼んだ「カマトロの炙り手巻き」は受け皿と一緒に手渡しされます。大将が「A6ランク(A5が最高なので存在しないランク)のトロなので脂が溢れます」とジョークを言っていましたが、納得してしまうくらい脂の量が多い!底の方から小籠包のように脂が流れ出るのです。一見脂っこそうに見えるのですが案外しつこくなく、ぺろっと食べてしまいました。
ここでしか食べられないお寿司も必見!
シンプルな握りもレベルが高いですが、創作寿司も「鮨 由う」を語る上で外せないポイントです。特に「港区巻き」と「プリン巻き」はお店の看板メニューになっていて、写真映えもばっちり。名前からは全くどんなお寿司なのか想像できませんが、「港区巻き」とは毛蟹とバフンウニ、そしてキャビアを載せたゴージャスな一品です。なんとこのキャビア「鮨 由う」のオリジナルで、特別に塩分濃度も低く調整してもらったここでしか味わえない代物なのだとか。もちろんそれが美味しくないわけがなく、キャビアの程よい塩味と雲丹の甘み、カニの旨味が渾然一体となった巻き寿司は絶品です。
「プリン巻き」とはもちろんプリンを巻いているわけではありません。こちらはあん肝のソースをご飯に加えて混ぜ、キュウリと一緒にいただく一品。健康にあまり良くないと言われているプリン体がたくさん入っているということから「プリン巻き」と名付けたそうで、そのネーミングにも笑ってしまいます。こちらはなんと「鮨 由う」オリジナル寿司ということで商標登録までしているそう。手渡しの際に「合格札」と一緒に記念撮影。エンターテインメント性抜群です。
レストラン名(ジャンル) | 鮨 由う(寿司) |
住所 | 東京都港区六本木4-5-11 ランド六本木ビル B1 |
TEL | 050-5593-6605 |
予算 | ランチ¥13,200~ ディナー¥22,000~ |
座席/個室有無 | 14席 |
予約の可否 | 予約可 |
まとめ
実際に訪れるまで、メディアにやたら出たがる人は料理にちゃんと向き合えていないのではないか…そんな偏見を持っていましたが、それは大きな誤りだったと「鮨 由う」のお寿司を食べて実感しました。
味、値段、サービスどれを取っても満足度が高く、まさに満場一致の「合格」を挙げたいお店です。(2021年12月訪問)