いっぺん庵　(京丹後市久美浜町/京都府）～1日7組限定の宿　蟹のプランに工夫あり！

まずはお刺身から、たっぷりあります

京都府の北部日本海に面した丹後の久美浜。夏は海水浴場として賑わいますが、冬に行くならやっぱり目的はカニ。毎年カニを食べに行くのが楽しみな私ですが、カニのフルコースというのは旅館で出される場合大体1人カニが2杯分、刺身から焼きガニ、茹でガニ、カニすきなどと食べきれないほど出て、最後にはお腹いっぱいで残すことが多いのが悩みでした。
ところがそのカニをひとり1杯の小量プランで提供してくれる宿を発見。もちろんタグ付きの高級松葉蟹です。しかも好きな料理法で食べられるのです。宿の名は「いっぺん庵」。温泉旅館として設備やサービスは？実際に泊まってみたレポートをご紹介したいと思います。

肝心のカニの話から。臨機応変のメニュー作りが楽しい

料理長と仲居さんがカニを持って来てくれ料理の相談

この宿ではチェックインして部屋に落ち着いたころ、料理長と仲居さんが夜に料理してくれるカニを運んできて披露してくれました。美しく立派なブルーのタグ付きの松葉蟹です。家族3人分3杯まとめてみると圧巻です。どんな料理をしてほしいか料理長が相談に乗ってくれます。
やはり外せないのが刺身から、そして焼きガニは蟹味噌の甲羅焼もほしい。茹でガニにはたっぷりのカニ酢も欠かせません。カニ酢は甘めが好きなのですが、仲居さんが「うちのカニ酢は甘めで美味しいですよ」と言ってくれたのでテンション上がります。カニすき、最後は雑炊にするところまで、要するにフルコースを食べることに決定。
するとそこで料理長の提案。最初に少し天ぷらはいかがですか？大賛成です。めったに天ぷらまでは出ないので嬉しい！

かにすきも十分

この内容をひとり1杯のカニでできるのかと最初は疑問だった私。結論を言えば少量プランの一杯で、色々満喫出来て十分でした。少しずつ色々食べるのが好みです。最後はお腹いっぱいで少し残したほど。
とにかく好きな食べ方で食べられる工夫が新鮮でよかったのです。もちろん特選の松葉ガニは新鮮でいうことなし！カニの足の天ぷらも最初お腹が空いている時に出たので大満足でした。

宿の設備やお風呂はどうだったのでしょうか？

お部屋の露天風呂もいいお湯でした

この宿は全室離れタイプで7室だけの小さな旅館です。こじんまりした宿が好みの私たちにぴったりです。滞在した「みろくの間」は12月前半の平日の宿泊で、「タグ付きカニひとり1杯の小量プラン、調理はお好みで」といったプランで申し込んだところ3人部屋の場合ひとり2食付きで67000円ほどでした。タグ付ではない冷凍の格安のカニプランもあるようですが、ここまでわざわざ来てタグ付きでないカニを食べるのも意味がないと思いました。

お部屋の内風呂と洗面所

部屋はリビングとベッドルームからなっていて、リビングはゆったり広いのにベッドルームはゆとりがなく、その隙間にマッサージチェアが置いてあるので、余計にギューギュー詰め状態なのは残念。
全室に源泉掛け流しのヒノキの内湯と露天の温泉風呂が付いています。部屋のお風呂にいつも源泉かけ流しの温泉が湧いているのは高評価です。いつでもちょうどいい温度の良いお湯が楽しめるのは最高です。
大浴場も小ぶりですが利用できました。7室しかないし部屋のもお風呂があるので、それほど大きなお風呂は不要でしょうから。コロナ禍で大浴場にはタオルはおろかフェイスウォッシュや化粧ローションなど、普通置いてあるものがきれいさっぱり取り払われ、案内がなく行ったので顔も洗えず不便でした。旅館によって対策はいろいろですが、ここまで徹底している宿はめったにありませんでした。

朝食も理想通り

ここの料理長さんは本当に料理のセンスが良いようです

カニをたらふく食べた翌朝は、大体毎年それほどお腹が空いてないのですが、今回は結構食欲がありました。やはり夕食が適量だったのでしょう。
しかも朝食はどれもが気が利いたものばかりで、私の好み通りの朝食でした。新鮮なイカの刺身もトロリと甘く、焼き魚は2択で、カレイを選んだら骨もきれいに取ってくれていて食べやすかったのです。卵料理も普通の出汁巻きではなくココット風で、豆腐も豆乳豆腐が良い味です。

大浴場の内風呂と露天風呂

お部屋の露天風呂に再度入って温まったのち、チェックアウトをしました。女将が出て来てくれてしばしのおしゃべり。昨日宿に来る前に行ったランチのお店の話を仲居さんから聞いたらしく、そのお店の話題にも花が咲きました。小さな宿なので見送りは女将さん一人で。車が見えなくなるまで手を振ってくださいました。

まとめ

カニを食べるために泊まりに行く温泉旅館。カニの美味しさはもちろん、ここのメニューつくりの工夫が楽しく、適量のカニを楽しむことができました。お部屋の露天風呂もかけ流しでゆったりのんびり温泉気分も味わえていうことなし。理想の「カニの宿」が見つかったのでした。
(2021年12月訪問）