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    TTOAHISU (フレンチ/福岡市/福岡県)~熱いものは熱々で、料理の一番美味しい瞬間を逃さない!

    トアヒス
    ナイフとフォークで食べるパン

    ナイフとフォークで食べるパン

    料理の温度管理は簡単なようで実は難しいことだろうと私は思います。熱いものは熱々で食べることの大切さを熟知し、重視してこそ実現できるのです。
    フランス料理やイタリア料理は、とりわけ現地ではこのことにこだわるシェフほとんどは見かけません。少し冷めているのが普通。でも日本人は熱いものをすすって食べる文化があります。
    熱いか冷たいかが良くて、ぬるいものはあまり美味しく感じない国民性。私はとりわけ熱々にこだわります。美味しい料理も冷めたら台無し。スープやパスタが冷めていたら、かなりガッカリしてしまうのです。
    その点、福岡市内にあるこの「トアヒス」は熱いものは火傷しそうなほど熱々で食べるために、いろんな取り決めまであり、スタッフが最初にその説明をします。さてどんなお店でしょうか??

    3人体制となってますますお店もパワフルな人気店に

    スマカツオと晩白柚

    スマカツオと晩白柚

    料理の写真をゆっくり撮っていては食べるタイミングを逃すことが多いため、説明している間にサッと1~2枚だけ撮ってください。特にメインの肉料理は1分1秒を争うので写真はNG。また肉が出る前にトイレに行くことを勧められます。その後のデザートまで続く温度管理のためなのです。食事中もトイレに行く時は事前申告制。料理を出すスピードに関係するので。
    多くのゲストを一度にこなせないので、今は4テーブルで8人までしか予約も取らないそう。ズラリとお皿を並べて順番に盛り付けることも冷めるため避けていて、テーブル毎に仕上げて出す時間がテーブルで少しずつずれています。ここまでやるとはスゴすぎる!

    ビシソワーズもユニーク

    ビシソワーズもユニーク

    愛媛県出身のオーナーシェフ山下泰史氏は東京のお店「ロブション」や「アムール」などで勤めた後、2016年にアムールで一緒だった佐賀出身の男性スタッフと2人でこのお店を立ち上げました。
    昨年新卒のとってもしっかりした女性スタッフも加わり、3人体制になりました。料理のことがわかる人がサービス係をしていて、しかもコミュニケーション能力抜群なのが素晴らしい!

    ランチコースは完璧な温度管理のもとに進行

    お茶に見えるがコンソメ。もちろん熱々!!

    お茶に見えるがコンソメ。もちろん熱々!!

    料理はフレンチをベースにしたイノベーティブです。お箸で食べる和食風の料理も挟みジャンルレスで、現在ミシュラン1つ星獲得。食べログのブロンズで百名店でもあります。
    お店が始まって以来続くスペシャリテが数品あります。季節ごとに変わる品も。
    ランチで頂いた7000円のコースはスペシャリテの1つコンソメから。お茶のようにカップで出されるダブルコンソメは地鶏、和牛、黒豚のスープ。熱々で火傷しそうなほどなのでコースターごと手にとって頂きます。コクはあっても味は薄目なのでお茶代わりにもなりそう。

    冒頭の写真のパンを切ってみるとたっぷりのラグーとチーズが

    冒頭の写真のパンを切ってみるとたっぷりのラグーとチーズが

    次はスマガツオ。タタキのように皮をばりっと炙って。マグロと鰹の間のような柔らかい身なので肉厚に切ってあります。上に熊本の晩白柚と七味、ネギのオイルをかけて。さっぱり頂けます。
    次のスープはビシソワーズ。普通のじゃなく、中にはユニークなものが色々。コーヒーのパンナコッタ、塩味が濃いめの生のカラスミ、ローストして砕いたアーモンド、パセリオイルやブラックペッパー。オープン時からあるユニークで人気のスペシャリテでさすがに美味しい!

    1分1秒を争う肉料理は写真NG

    キャラメルのアイス、洋梨のピューレかけ

    キャラメルのアイス、洋梨のピューレかけ

    太刀魚はハマグリのスープ仕立て。菜の花の茎や葉を刻んで載せ黄柚子も。焼き菜種油の芳ばしさもプラスされます。
    パンをナイフとフォークで食べる?!それは次に出てきた焼きたてのパン。ほうれん草を練り込んだロールパンに牛肉のラグーとゴーダチーズ、ピーナツのピューレを詰めてありちょっとカレーパン風。手では割れない熱々なので、ナイフで切って頂きます。絶品です!
    メインは黒豚のロースト。鹿児島の黒豚を2時間くらいかけてじっくり焼いています。脂身も甘くてジューシー。絶妙な火入れなのです。こんなに美味しい豚肉は珍しい!ソースは洋風生姜焼き風で和食とも言えるあっさり味で、生姜とバルサミコがよく効いてます。原木椎茸のリゾットが付け合わせとしてバーフェクト!!

    安納芋のプリン

    安納芋のプリン

    このお肉が出る前にトイレは済ませ(笑)、万全の態勢で挑んだのでした。写真はNGなので残念ですが、80gある美しい切り身です。誰もが美味しくて幸せな気分になれます。
    デザートの最初はアイス。だから溶けないように席外しが禁止だったわけです。キャラメルのアイスに洋梨のピューレがよく合います。
    デザート2皿目は安納芋のプリン。その上には安納芋のソース。素朴で優しい味わいです。
    ブラックコーヒーと一緒にキャラメルチョコレートバターの小さな欠片がプチフール。濃厚なのでちょっとで良くて、適量でコーヒーとの相性も抜群。

    レストラン名(ジャンル)TTOAHISU トアヒス (フレンチ/フランス料理)
    住所福岡県福岡市中央区大手門3-12-12 BLDG64 1F
    TEL092-733-4600
    予算ランチコース7700円  ディナー14850円 いずれも税込み
    座席/個室有無10席 個室なし
    予約の可否完全予約制
    公式サイトhttps://hitosara.com/0006089474/?cid=gm_hp

    まとめ

    ユニークな室内インテリア

    ユニークな室内インテリア

    温度管理にここまでやるお店は初めてです。かなりユニークだと思う人も多いでしょう。でも一つ一つの料理をシェフは細かく計算し、スタッフがベストタイミングで出してくれるように準備されるのです。だから料理の一つ一つがとても貴重なものに思えるし、美味しさも増すのです。
    適当と言う言葉はこの店に存在しません。大切に慎重に作り上げ丁寧に提供する姿勢は、本当に素晴らしいものだと感心しました。
    (2022年1月訪問)

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