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湯河原の丘の上、細い坂道を登って行き着いたところに、このお店はありました。竹林が目の前に広がるガラス張りのテラス席が特等席のお店です。
その名は「エルルカン・ビス (HERLEQUIN BIS)」。2月のとある平日の12:30の予約でランチにお伺いしたら、なんとほぼ満席で活気にあふれていました。早めの予約だったので、テラスの特等席である5テーブルのうちのひとつに通され、気持ちの良いランチタイムを過ごせました。さてそのランチの内容はどうだったのでしょうか?
日本料理まで習得したベテランの伊東シェフとは?
オーナーシェフの伊東淳一氏の長い経歴を聞くと、いかにベテランなのかがわかります。
銀座の「レカン」で8年修業後、ヨーロッパへ渡りディジョンやパリ、フィレンツェなどで2年半弱研鑽を積み帰国。大阪の「ポンマリー」にて2年半シェフを勤め、徳島の日本料理店「青柳」にて3年務めた後に恵比寿に「エルルカン」を開店。
このお店は恵比寿で10年ほど、その後この地に移ってもう16年になり、計26年やっているそうです。シェフはフレンチのみならずイタリアンや日本料理まで幅広く経験されているのです。
お店が込んでいるので、シェフもサービスに出ておられました。お蔭でいろいろ説明を聞いたり話ができて楽しかったのです。
ただし超多忙のお店なので、こちらからアピールしないと話すことはできません。シャンパーニュをグラスで頼むと、1760円と結構高めなのですが、忙しいのでグラスだけ持って来て、説明もありません。呼び止めて何のシャンパーニュかとシェフに聞いたら、ボトルを持って来てくれて詳しく説明してくれました。黙っていては何もわからないところでした。
ランチコースは4400円でこの充実した内容!
ランチのコースはMENU A 5皿4400円のコースを頼みました。前菜2皿、スープ、メイン、デザートという構成です。
料理に関しても同様で、簡単な説明だけなので、あれこれこちらから聞くうちにシェフの説明も増えていきました。忙しいからと言っても興味を示すゲストにはしっかり話してくれるし、とても感じのいいシェフです。
料理の出し方もテンポがよく、ちょうどいいタイミングでサーブされます。さすがにプロの集団という感じです。
最初に出たのが自家製のピクルスで、フォアグラとバルサミコ、白トリュフを練ったものを纏わせたプリッツ状のクラッカーが添えてあります。さり気ないところで凝っているのです。
次は地鶏の温玉・黄身が濃くてしっかりしています。根セロリのソース、スモークサーモンのパウダーや柚子胡椒を振りかけてあります。
紅大根のサラサラスープに感動
パンはフランスから直輸入した種を店で焼いているそうで、さすがにフランスらしいバゲットです。ちょうどパンが欲しいと思った頃にソースを付けて食べられて嬉しかったのです。
次は自家製ロースハムです。バルサミコや黒酢蜂蜜のソースが合います。結構なボリューム。
スープは紅大根の熱々サラサラの美味しいもので、今回一番気に入った品です。
メインはアンコウかチキンからのチョイス。チキンを選んだら、少し焼き方がブヨブヨして好みでなかったのが残念でした。チキンは皮も美味しくなるようにカリカリに焼いてあるのが個人的に好みなので。
デザートのソルベやアイス、ガトーショコラの出た後に、またもう1皿のデザートが出たのにはびっくりです。それもこちらのスペシャリテのようでココナツと練乳のプリンです。
リーズナブルなランチなのに、こんなサプライズまで用意しているシェフに感心しました。
レストラン名(ジャンル) | エルルカン・ビス (HERLEQUIN BIS) |
住所 | 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上744-49 |
TEL | 0465-62-3633 |
予算 | ランチコース 3780円~ ディナーコース 5400円~ |
座席/個室有無 | 36席 |
予約の可否 | 予約可 |
まとめ
とにかくここの竹林の眺めは最高でした。日本人は竹が好きなんでしょうか。この風景を見ているだけで癒される気分です。総ガラス張りで目の前に広がるこの景色は貴重です。伊東シェフも恵比寿のお店を移転する際にこの竹林が気に入ってここに決めたそうです。
環境の素晴らしさは料理の味をもアップさせるというのは本当で、ここでのランチはとりわけ印象に残るものとなりました。
(2022年2月訪問)