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「エレテギア」は瀬戸内海を望むリゾートホテル「ベラビスタ」の中のメインダイニングです。ホテルのメインダイニングと言えば普通は正統派のフレンチなどが一般的なのですが、ここは違います。美食で知られるスペインのバスク地方の名店中の名店で薪火料理を習得した日本人シェフが本格的なスペイン風薪火料理を生み出しているのです。今回はそんなシェフの調理風景を目の前で見ながら食事を楽しめるシェフズキッチンのテーブルを予約してお邪魔しました。食材の旨味を凝縮すると言われる薪火のプロが編み出す料理とはどんなものだったのでしょうか?
「世界のベストレストラン50」で堂々の3位のお店で薪火料理を習得
エレテギアのシェフ藤井智哉氏は、スペインバスク地方で研鑽を積んだ方です。それも薪火料理を習得するため向かったのは世界の美食家を魅了するバスク地方の人気レストラン「アサドール・エチェバリ」。2021年の「世界のベストレストラン50」で堂々の3位というレストランです。サンセバスチャンから山の方へ2時間もかかるド田舎にあるお店。自然環境も素晴らしいお店で本格的な薪火料理を習得されたのです。
「エレテギア」はバスク語です。「窯焼き屋」を意味するというからピッタリのネーミングです。
今回は運よくシェフズキッチンのテーブル席の予約が取れました。前回はホテルに滞在してディナーを食べたので、キッチンから離れたテーブル席で確かに薪火料理のエビなどを美味しく食べた記憶はあるけれど、今回ほどインパクトのある食事ではなかったのです。
薪火の窯で生み出される逸品
広い厨房の奥には大きな窯があって、迫力ある薪火が見えます。目の前でシェフやスタッフの皆さんが調理するところもしっかり見られるのが最高のテーブルです。ランチなので瀬戸内海の絶景も眺められるし特等席に違いありません。
ランチコースは6品で6600円という内容を考えればかなりお得なコースでした。
前菜2種はしっかり美味しいローストポークのブルスケッタに自家製マーマレードとマスタードソースを添えて。キノコのスープはキジ肉のコンソメ仕立てで、柑橘の皮を削ってありいい香りです。
地元農家の朝採れ野菜のバーニャカウダは野菜本来の旨味を感じます。藻塩とフキノトウのソースとアリオリソースで。
特大椎茸の美味しさに絶句
今回最も感動したのが次に出た天恵茹(てんけいこ)。これは徳島の椎茸の名前で、10年くらい品種改良してできた特大のもので秋冬がシーズン。水分が逃げないやり方で薪火で焼きます。塩やスダチの柚子胡椒、猪の肉みそを付けて頂きますが、もう言葉にならないほどの絶品なのです。またこれを食べに来たいと真剣に思いました。シェフも「これを食べに来るゲストが多い」とのことで、やっぱり!
薪でカリカリに焼いた赤鶏が出た後は、パエリアです。我々が想像する魚介類がいっぱい載ったものとは違い、かなり地味な見た目です。しかしながらもち麦、菊芋、白ネギをブイヤベースと合わせてあり、味の方は深くてピカイチです。
デザートはプティフールみたいなのがいくつも先に出た後、蜂蜜のジェラートと苺のソルベが最後に出て、もう満腹です。
シェフの調理風景も見られたし、満足感でいっぱいでした。寒い冬の日、薪火の炎は気持ちまで温めてくれました。
レストラン名(ジャンル) | エレテギア (Erretegia) スペイン風薪火料理 |
住所 | 広島県尾道市浦崎町大平木1344-2 ホテルベラビスタ内 |
TEL | 084-987-1122 |
予算 | ランチ コース 6600円~ ディナーコース 16500円~ |
座席/個室有無 | 個室なし |
予約の可否 | 予約可 シェフズキッチンのテーブルは早めの予約を |
公式サイト | https://www.bella-vista.jp/maindining.html |
まとめ
シェフとも話ができるし、このレストランはランチに来てこのテーブルを予約するのが最高だとわかりました。天恵茹の椎茸は絶対また食べたいと思います。
ちょうどランチを食べた人は泊り客でなくてもスパ(お風呂)入場無料というサービスをやっていたので、ランチの後でお風呂に入りました。前回来たときにはなかった広々とした檜の露天風呂ができていて、海を一望できるいいお風呂でした。
ところが家族が脱衣所で時計を忘れて帰るというハプニングがありました。後で気付いた時には遠くに移動していたので、連絡を取って調べてもらいました。ホテルスタッフの方が見つけて丁寧に自宅に送ってくださいました。美しいボックスに宝石のような包装で、手書きの心温まるメッセージも添えて。大切な時計だったので、本当に有難かったです。このレストランがあるホテル「ベラビスタ」の素晴らしいサービスにも感動し、またぜひ泊まりに行きたいと思っています。 (2022年2月訪問)