鹿児島中央駅から歩いて3分ほどの場所にある「とんかつ川久」は、お昼時になると店前にずらりと行列ができる人気店。この日も開店の15分前に訪れると既に5組ほど並んでいて、瞬く間に20人以上の列に。平日の11時半にもかかわらずこんな行列が出来るとは…期待が高まります。残念ながらちょうど私たちの目の前で1巡目は終了。次のご案内は40分後と言われ、近くで時間を潰します。
「川久」で使用される「渡辺黒豚」は、柔らかいのに歯切れのある食感が特徴です。口の中でとろける脂も甘く、臭みが無いため、とんかつのようなシンプルな料理に向いています。なんと「渡辺黒豚」の主食はパン!パン工場と連携して乳酸発酵させたものを食べさせているそうで、それが旨味のある豚肉をつくり出している秘訣なのです。
「淡いピンク色の状態が1番美味しい」そうで、「川久」では中に少しピンク色が残っている状態でとんかつを提供しています。
今回は3人でお邪魔して、「上黒豚ロースカツ」「上黒豚ヒレカツ」「エビフライ」を注文しました。待つこと20分ほど。頼んでいた料理が運ばれてきました。
「川久」が常に行列のできるお店である理由の一つに、その揚げ時間の長さもあると思います。中までじっくり火を通すために、低い温度でゆっくりと揚げるのがこの店流。一切れカツを持ち上げてみると中は綺麗なピンク色です。
テーブルの上には柚子味噌と醤油ダレ、ソースが置かれていてそれぞれ好きなものをつけることが出来ます。私は脂の乗ったロースを注文したので、さっぱりと醤油ダレをメインにいただきました。
ロースは簡単に噛み切れるほど肉質が柔らかく、中がピンク色ですが臭みもありません。火入れはやはりこれがベストなのだと思わせてくれるような仕上がりでした。噛むとほのかにお肉の甘みも感じられ、肉汁が溢れてきます。ひと口食べて人気の理由が分かりました。
ただいくら上質な脂と言えどロースは脂の面積が大きく、途中からだんだんと食べるのがきつくなってしまったのも事実です。胃もたれしがちな人はロースではなく、ヒレを注文した方が良いでしょう。
エビフライは見た目のボリュームの割には衣が厚いだけで食べ応え的には微妙。味も普通でした。
高品質なお肉と絶妙な火入れで、昭和50年の創業以来ずっとその人気を守り続けている「とんかつ川久」。
しかしその一方で気になる点もありました。席の準備が出来たら順に番号札を持ったお客さんを通せばいいものを、3テーブル空いたら3テーブルとも準備が完了しないと次の人を通してくれないのです。単純に店員さんがそこまで考えが及んでいなかったのか揚げ始めるタイミングを揃えたいのか…。定かではありませんが、これだけの人気店で5分10分と誰も席についていない時間があるのが無駄ですし、オペレーションに問題があるように感じました。それが改善出来たらもう少し早くお客さんを席に案内することも出来ると思いますし、回転率も上がるでしょう。(2022年2月訪問)
レストラン名 | とんかつ川久 |
ジャンル | とんかつ |
住所 | 鹿児島県鹿児島市中央町21-13 |
TEL | 099-255-5414 |
予算 | ¥1,000~ |
座席 | 34席 |
個室 | 無し |
予約の可否 | 予約可 |
公式サイト | https://setoguchiseinikuten.co.jp/user_data/kawakyu |