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    つば甚(日本料理/金沢市/石川県)~260年以上続く老舗料亭

    先付け。スイカに見立てた明太子の料理が可愛らしい!

    旬の鮎はこんがり塩焼き。骨も柔らかくて食べやすい。

    石川県を代表する和食の名店中の名店「つば甚」。金沢で最も歴史のあるこの料亭はなんと260年前、江戸時代から続く超老舗。伊藤博文や芥川龍之介、三島由紀夫など幾人もの文人墨客が訪れたという由緒あるお店なのです。
    旅館のように立派な玄関先に車を停めると、袴に身を包んだ店員さんが玄関前で恭しくお出迎え。まるで迷路のように長く入り組んだ廊下を進んだ先、松尾芭蕉ゆかりの「小春庵」という個室に通されます。個室と言っても相当広く、もはや寝泊まり出来てしまいそうなほど。これだけ広ければ“三蜜”も気にしなくて良さそうなものですが、流石老舗。感染症対策も万全で、一人一人に消毒スプレーやウエットティッシュまで用意してくれる徹底ぶりです。

    名物のどぐろのお寿司!石川はのどぐろが良く獲れるそう。

    ところで、出汁巻きに「関西風」「関東風」があるように日本料理にも地域差があるのはご存知でしょうか。大きな違いは醤油が濃口か薄口かによるところが大きいようですが、ちょうど富山と石川の間で東西が分かれているようで、ここ「つば甚」の和食はどこか京都風のやさしい味付け。ジュレや柑橘類などを使用した夏らしい爽やかな料理の数々は、伝統的で洗練された、確かな美味しさ。のどぐろの温かいお寿司や能登名物・氷見うどんがお食事代わりに出たりと、地元金沢ならではの料理も豊富。特にのどぐろのお寿司は最高で、程よく炙られたのどぐろから染み出した上質な脂がシャリに絡み、添えられたショウガと共にいただくのが堪りません。

    右のお皿は麦羊羹。どこか昔懐かしい優しい味わいです。

    伝統的な料理と老舗ならではの行き届いたサービス、そして加賀百万石の時代から続く趣あるお部屋。これが「つば甚」が260年も愛され続けてきた理由なのだと思います。もはや「食事」という枠を超え、金沢の食文化を体感しているような気分にさせられる、名店の名に相応しい空間がそこにありました。 2020年8月訪問

    レストラン名つば甚
    ジャンル郷土料理、懐石料理
    住所石川県金沢市寺町5-1-8
    TEL076-241-2181
    予算ランチ¥15,000~20,000
    ディナー¥20,000~30,000
    座席200席
    個室完全個室
    予約の可否完全予約制

     

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