過去に神戸で唯一のミシュラン3つ星を獲得したこともある、イノベーティブ料理のレストラン「カセント」。予約が困難なことに加え、あまり神戸に行く機会もなかったので今回は念願の訪問となりました。
お店は住宅街の一角にあるガラス張りのオシャレな空間。この日も当然のように満席でしたが席と席の間隔が広めなので窮屈さはなく、落ち着いていただくことができました。
シェフの福本氏は15歳の時からこの道で腕を振るってきた実力派。イタリアやスペインで8年間修業していた経験から生み出される料理は、ジャンルの枠を軽く飛び越えた創作性あふれる品ばかり。1品目の松茸の和風スープから始まり、パクチーをふんだんに使ったエスニック料理、お箸を使って食べる和テイストな創作料理などなど、シェフの斬新なアイディアは止まりません。変わった食材の組み合わせで一捻りも二捻りもして作られている品もあれば、ボイルされたエビがそのまま出されたり…食材しか書かれていないメニューからはとても連想できない料理です。
特に私が面白いと感じたのは、肉料理のあとに出てきた一皿。普通イタリアンにしろフレンチにしろ、肉料理のあとはデザートが出てくるものですが、イノベーティブ料理なのでメインの後にお米が出てくる懐石料理のようなスタイルで、型にとらわれないものでした。
あらゆるジャンルの料理をすべて一定以上の水準で仕上げているのはやはりシェフの才能の成せる技なのでしょう。しかし逆に言ってしまうと、コース全体を見たときに味に一体感が無く、個々のお皿の主張が強かったが為に風味が忙しなかったのも事実。面白いと感じたお米料理も、脂っこいステーキの後ならこってりした甲殻類のビスク風リゾットではなく、あっさりとした一品だったら嬉しかったなとも思います。デザートのイチジクのタルトはとても美味しかったですし、メートルさんも感じのいい人だったので、そこだけがちょっと残念なディナーとなってしまいました。(2020年10月訪問)
レストラン名 | Cà sento(カセント) |
ジャンル | イノベーティブ |
住所 | 兵庫県神戸市中央区中山手通4-16-14 |
TEL | 050-5595-3465 |
予算 | ランチ¥10,000~15,000 ディナー¥20,000~30,000 |
座席 | 16席 |
個室 | 無し |
予約の可否 | 完全予約制 |