京都生まれの私には、琵琶湖は子供の頃からのちょっと遠出する遊び場。合宿とか湖畔バーベキューとか、イベントがあれば湖の南部や西部の町のあるエリアに友達と遊びに行ったものです。日常的な存在だった琵琶湖は、私にとって特別の存在ではなく、とりわけきれいだと思ったこともありません。
ところが今回、久しぶりに奥琵琶湖と呼ばれる北部エリアに向かい、「ロテル・デュ・ラク」に滞在したときは、湖の風景のあまりの美しさに驚きました。琵琶湖と言っても北部は広々として水もきれいです。見たこともないような澄み渡った湖面。周りの景色も心が癒される素晴らしさです。なんだか昔はパッとしなかった幼馴染が、久しぶりに会ったら美しく魅力的に成長していたみたいな気分です。湖面に浮かぶ竹生島。その向こうには伊吹山。ため息が出ました。
国定公園の中に建てられた4万坪もの敷地のあるエレガントなオーベルジュ「ロテル・デュ・ラク」。かつて大企業の保養所として使われていたところを、閉鎖後に買い取って改築したそうです。その名残で、敷地内には4面ものテニスコートがあるのです。
客室は本館に7室、離れにログハウス風の「ラグジュアリーコテージ」と呼ばれる客室が9棟。私の泊まった離れは目の前に広々とした芝生があるので、お隣さんは小さな子供を遊ばせていました。ワンちゃん連れもOKの部屋も1室だけあるそうです。
ログハウスは昔流行ったけれど、あまり今風ではないし、ロフトスタイルの室内もちょっと古い感じです。3人部屋は、そのロフト部分に布団を敷くという、今ではあまり見かけないやり方です。ファミリーにはログハウスはいいけれど、私の好みはむしろ本館だったかもしれません。
こじんまりしたオーベルジュなので、サービスはきめ細やかです。ソムリエさんが駅への送迎を受け持ったり、シェフがディナータイムだけでなく朝食タイムにも頑張っていたり、スタッフの頑張る姿に好感が持てました。ダイニング「ル・ペイザージュ」では、料理長である山本卓也氏によるテロワール発酵フレンチが自慢の料理が楽しめます。
特筆すべきはこのホテルの朝食スタイルです。「オーダービュッフェスタイル」という独自のシステムで、あらかじめ前日に渡される詳しいメニューを見て、オーダーシートの食べたいものにチェックを入れて渡します。すると朝食時に、まるでコース料理のように順番にすべて出してくれるのです。テーブルにいながら好きなものを熱々で頂けるのは素晴らしいやり方です。通常の朝食メニューのほかにもカツカレーや近江牛の丼とか、ついつい食べ過ぎてしまいます。本物のオーベルジュらしい心温まるサービスに、お腹も心も満たされたのでした。(2020年11月訪問)
旅館名 | ロテル・デュ・ラク L’Hotel du lac |
住所 | 滋賀県長浜市西浅井町大浦2064 |
TEL | 0749-89-1888 |
お風呂 | 2か所の貸し切り家族風呂のみ |
予算 | 2人部屋利用の場合 1人約27000円~ (オーダービュッフェ朝食付き) |
露天風呂付客室 | なし |