「私がこの店のお笑い担当です~」と言うのが店主の息子さんの小西智允(さとちか)氏。とにかくこの若大将、ひょうきんで楽しい話をペラペラしゃべりながら、どんどんいいワインを出してきて、またその説明を始めるのです。
店主であるお父様の熹志 侑紀但(きしうきただ)氏が長年営んでいたお店「御料理 こにし家」に、京都や名古屋の名店で修業を積んだ若大将が12年前に戻って来られました。それ以来、店主と奥様に加わって若大将と、今では美人の妹さんも一緒に家族4人一緒に切り盛りされているのです。
料理のことがわかっているプロほどこのお店の評価が高いと言われていて、いろんな店のシェフや料理人が食べに来るそうです。ミシュラン1ツ星、食べログ4.3という高得点。若大将にゴー・エ・ミヨでも見ましたよ、と言うと、審査員がいつ食べに来たんか全然知らんかったわ~(笑)とのこと。
若大将は冗談ばかり言っていても料理は凄腕、長年素晴らしい日本酒を仕入れてきたお父様の影響か、日本食でもちゃんとソムリエの資格を取っていて、珍しいワインやウィスキー、日本酒などなんでもめちゃ詳しいのです。料理とお酒のマリアージュに最も重きを置いていて、この店のキャッチフレーズに「季節のええもんと、他では飲めない旨い酒」と謳っているだけあって、ここならではのお酒のチョイスには絶大なる自信があるのです。ワインの説明の奥深さは、料理の説明を軽く凌駕しているのです。
かつて出していた八寸を止めて、今は1皿ずつ出しているのも、すべての皿に合うワインがないから、と言うこだわりぶり。1皿ずつ料理に合うワインを吟味して薦めてくれるので、ついお酒も進みます。
印象に残った料理は、まずグラニースミスと言う青リンゴを蟹に合わせた爽やかな一品。蟹専門店でもこういう料理を出してくれたら飽きないのに・・・と感心。また明石の鰆を塩焼きかつけ焼きか選ばせてくれました。ちょうど前日鰆の塩焼きを食べたところだったので、炭火によるつけ焼きで全く印象の異なる料理を楽しめました。それも丹波栗の渋皮煮を添えてありいい取り合わせです。また穴子と炊いた里芋がとにかく柔らかく滑らかでびっくり。
そしてお食事の時。普通のご飯か雑炊かカレーのどれがいいですか?と若大将。てっきりカレーは冗談かと思いました。でも頼んでみると、赤ワインや隠し味がふんだんに入ったこだわりカレーだったのです。最後まで楽しいメニュー設定です。
「黙ってむっつり料理して出すより、お客さんに笑いながら食事を楽しんでもらえるのが何より嬉しいんです」という若大将。御家族4人のこうした精神こそが、この店の最大の魅力と感じたのでした。(2020年11月訪問)
レストラン名 | 御料理 こにし家 |
ジャンル | 日本料理 |
住所 | 兵庫県三田市三輪1丁目13-28 |
TEL | 079-563-5248 |
予算 | 昼夜共 13000円~ |
座席 | 26席 |
個室 | あり |
予約の可否 | 予約可 |