「真鯛」「ブロッコリー」「牡蠣」
最近では珍しくなくなった、食材のみ表記されたメニュー。なんとなくオシャレなイメージですし、特にフレンチやイタリアンなどの高級店で多く見られるやり方ですが、ここ「リストランテ ヤギ」では少々違った意味合いを持ちます。
一般的なレストランでは季節ごと、もしくは月毎にメニューを変え提供するのがほとんど。もちろん毎月のように新作を考える努力は並々ならぬものですが、このレストランは驚くべきことになんと「日ごと」に作る料理を選んでいるのだと言います。
オーナーシェフ八木康介氏は、本場イタリアの3つ星レストラン「エノテカ・ピンキオーリ」で研鑽を積んだ超一流。そんな彼がつくり出すのは伝統にとらわれない「私たち一人一人にあったイタリアン」です。八木氏の考える「メニュー」とは、飽くまで「提案」に過ぎません。こちらの好みやその日その日の食材の入荷状況で臨機応変にスタイルを変え、最も理想的な料理を提供するのが「リストランテ ヤギ」のやり方なのです。
そんな「お客様ファースト」といった言葉が相応しい八木氏の料理ですが、実は初めからそのようなスタイルでやっていた訳では無いのだとか。イタリアでの修行を終えた当初は北イタリアの本場の味を提供したいと考えていた八木氏。それが今のような自由な発想に変化したのは、ひとえにお客さんの喜ぶ姿を見たかったから。
特に今回いただいた牡蠣の料理は、そんな彼のスタイルを反映させたかのような逸品でした。生食の多い本場イタリアとは違って、こちらの品は日本人にも馴染みのある「揚げた」牡蠣。ですがフライというわけではなく、よりフワッとしたフリットスタイルなのでイタリアらしさも感じられます。そしてそこに添えるのはクセのないチーズと、生ハム、タルタルソース、からし菜。一見面白い組み合わせですがそのどれもが熱々の牡蠣とマッチして、八木氏ならではの絶品イタリアンへと変貌します。
これだけのこだわりがあり、素晴らしい料理を提供している「リストランテ ヤギ」。さぞ名店らしい料金なのかと思いきや、実はそういう訳でもなく。今回私は「一休」でランチを予約したのですが、この「一休」でのプランが非常にお得でコスパが最強。全5品にアルコールを含むドリンクが1杯付いており、税サ込みでなんと一人5,000円。1杯1,800円のシャンパーニュを頼めば、実質3,200円でフルコースを食べられる計算に・・・代官山でこのお値段とは、なんだか申し訳なくなってしまいます。提供スタイルだけでなくコストパフォーマンスの面でもお客様ファーストな「リストランテ ヤギ」。理想の食事を体験しに是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。(2020年12月訪問)
レストラン名 | RISTORANTE YAGI (リストランテ ヤギ) |
ジャンル | イタリアン |
住所 | 東京都渋谷区鉢山町15-2 プラザ1000代官山 B1F |
TEL | 050-5590-3878 |
予算 | ランチ¥5,000~ ディナー¥10,000~ |
座席 | 21席 |
個室 | 有り |
予約の可否 | 完全予約制 |