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美女の谷で牡牛の血を飲む??
私にとってヨーロッパに行く楽しみの一つがワイナリー巡り。ハンガリーもそうでした。この国を代表するワインは2つあって、貴腐ワインで知られるトカイワインと、赤ワインが有名なエゲルワインです。トカイワインは有名ですが、エゲルワインはあまり知られていないかもしれません。
ブダペストから車で2時間ほどの距離にあるエゲルは城壁も残る古くて美しい町。かつてオスマントルコが攻めて来たとき、ここの人々が赤ワインを飲んでいたところ、「人の血を飲んでいる!」と恐れをなして逃げて行ったという言い伝えがあるそうです。今でもエゲルを代表するワインは牡牛の血を意味するビカヴェール(Bikaver)という赤ワインなのです。
郊外のワイナリーを訪問しました。表彰されたワイナリーTOTH FERENC。ユニークだったのは金属製の樽を使って急に冷やして甘くしたり独特の技術も駆使している点。有名なオーナーのおじいさんは、記念写真を頼むと、よぼよぼに見えたのに私の肩をガシッと力強く抱いてきたのでびっくり。これも牡牛の血のパワーか?
GWに訪れた美女の谷は、ちょうどワイン祭りをしていて、しかも週末だったので人出が多く賑やかでした。49ものワイナリーがある中で、私が行ったときは20軒ほどオープンしており、お好みのワイナリーのテラスでワインを楽しめました。皆さんほろ酔い加減で楽しそう。言い伝えでは酔っ払った男の人が女性を見て、皆美女に見えたので、この地が美女の谷と呼ばれるようになったとか。ちょっと失礼な話ですが笑えます。でもエゲルの赤ワインは私の中で思い出深い大好きなワインとなったのです。
東京で見つけたハンガリーの味 アズフィノム AZ Finom
明治神宮前近くに、日本では数少ないハンガリー料理店「アズフィノム」を見つけました。ランチには、前菜、スープ、メイン、デザートとコーヒーか紅茶のコースが2900円とお手頃です。さすが本場エゲルのワインも置いてあったので、エゲルのワイナリーを訪れたことが懐かしく、嬉しくなってグラスで頂くことにしました。クリーミーでこってりしたハンガリーの肉料理には「牡牛の血」がやっぱり欠かせないのです。
2007年にオープンしたこのレストランは、オーナーは日本人女性ですが、シェフはハンガリー人です。4年前から新しいシェフがやっているそうですがその方もハンガリー人です。
ハンガリー料理に欠かすことのできない魔法のスパイスと呼ばれるのが真っ赤なパプリカです。香り高く味はマイルドなパプリカを使うと、優しく味わい深いハンガリー料理が生まれます。このお店でもやはりパプリカをふんだんに使用しているそうです。
前菜にポークとエストラゴンのパテ、付け合せにパプリカのムースとセロリ。このパテがたっぷりのボリュームです。次にスープで選んだグヤーシュ。さらっとして思ったほどスパイスの香りが強くない、コクがなく主張の少ないグヤーシュだったのは少々残念。メインはロールキャベツをチョイス。同行者はチキンのクリーム煮。付け合せはハンガリーのパスタであるガルシュカ。どちらも寒い季節に最適な温まるお料理です。デザートはハンガリーのクリスマスに欠かせないけしの実のロールパイと胡桃のロールパイ。紅茶によく合います。
一足先に、ハンガリーのクリスマス気分を味わえた冬の午後でした。
(2020年12月訪問)
レストラン名 | アズフィノム AZ Finom |
ジャンル | ハンガリー料理 |
住所 | 東京都渋谷区神宮前2-19-5 AZUMAビルB1 |
TEL | 03-5913-8073 |
予算 | ランチ900円~ ディナーコース7000円 アラカルトもあり |
座席 | 24席 |
個室 | あり |
予約の可否 | 可 |