私は本場フランスで食べるフランス料理より、日本で食べるフランス料理の方が好きです。
今までフランスには何度も訪れた経験がありその都度グルメをしてきました。が、正直その度に思うのが「なんか日本人向けにアレンジされてるフランス料理のほうが美味しいな」ということです。
今回京都で訪れた「リョウリヤ ステファンパンテル」は地下鉄丸太町駅から徒歩5分のところにあるフレンチレストラン。「なんで“料理屋”までカタカナ?」と思っていたのですが、実はシェフはフランスのブルゴーニュ出身なのだとか。
店名にもなっているステファンパンテル氏がつくり出すフレンチは、京都ならではの新しいフレンチです。ネットでの評判もすこぶる高く、2021年1月現在食べログで4.36を記録。「京都とフレンチの完全融合」や「独創的なフレンチ」など、ネットには彼の料理を褒めたたえるコメントが数多く見られます。しかし先述した通り、フランス人によるフランス料理がどうにも刺さらない私。いくら評判とは言えフランス人と日本人じゃ感性違うだろうしな~などと失礼なことを考えながらお店へと足を運びました。
古民家を改装したというこちらのお店。門をくぐるとまず緑溢れる庭が私たちを出迎えます。木と土壁で出来た和の趣を感じさせる内装と、フランスから輸入したという家具やインテリアが見事にマッチ。シェフの目指す「和と仏の融合」というコンセプトにピッタリの空間をつくり上げています。
座席はカウンター席とテーブル席がいくつか。今回は早めに予約したからか、カウンター席へと案内してもらえました。きっとシェフは奥の厨房で籠もってるんだろうなと勝手に思っていたのですが、むしろその逆。常にカウンター前で腕を振るうパンテル氏は、その流れるような作業の中でもお客さんとの会話を忘れず、あたたかい笑顔でサービスしてくれるのです。
そして肝心のお料理はと言うと、噂に違わぬ美味しさ!あれだけ「フランス人のフランス料理は~」と言っていたのは何だったのかと言うほど、氏のつくり出す料理は私たち日本人にしっくり来るお味。特に私が気に入ったのが菊芋やネギなどの野菜とイクラを合わせたお料理です。これだけ聞くとなんとなく和食っぽいですが、柑橘を使った絶品のバターソースと和えられ、今までに食べたことの無いような風味が口いっぱいに広がるのです。濃厚だけどどこかサッパリしていて、香り高い。この料理に限らずステファンパンテル氏の生み出す料理にはそう思わせる料理がいくつも存在します。ソースや付け合わせなどにフルーツをかなり採用しているようで、そのほのかな甘みや酸味が味の決め手となっているように感じました。
料理の味やお店の雰囲気、そして心のこもった接客。そのどれをとっても超一流の「リョウリヤ ステファン パンテル」。京都でちょっと贅沢な食事を楽しみたいなら是非とも訪れたい素敵なレストランでした。(2020年12月訪問)
レストラン名 | リョウリヤ ステファン パンテル (Ryoriya Stephan Pantel) |
ジャンル | フレンチ |
住所 | 京都府京都市中京区柳馬場通丸太町下ル四丁目182 |
TEL | 075-204-4311 |
予算 | ランチ¥6,000~ ディナー¥15,000~ |
座席 | 23席 |
個室 | 有り |
予約の可否 | 予約可 |