ここは群馬の方が薦めてくれた宿でした。売店もあるくらいの収容人数の大きい宿ですが、全体にゆったりとした空気が流れていて、のんびりと過ごすことが出来ました。
私が選んだ部屋は和洋室、部屋がL字の形になっていて曲ったところにベッドが置いてあったので、生活感のない造りで気に入りました。
時間によって雰囲気を変える建具の意匠が記憶に残っています。日本の建物は繊細でかつ合理的。宿は家と同じで、長年改善し続けている宿が面白い。最初から素敵に作るのが一番だけど、長く続いていると建替えはすぐには出来ないし、時代の移り変わりやお客様のニーズが変わることで必要な物も変わってきます。この宿は、そのことに成功しているように感じました。
いくつかあるお風呂の中で、はにわが湯船の中に佇んでいるユニークなお風呂があります。
このはにわ風呂には、放浪画家として有名な山下清さんの大きな壁画があり、原画を元に特殊ガラスを使って作られた壁画は『大峰沼と谷川岳』。見ていると温かい気持ちになる作品で、近くで見たり遠くから見たりと楽しく長くお風呂に入っていることができました。
看板に食事処「いろり献残焼」と書いてあって調べてみたら、雪深い越後路に昔から伝わる郷土料理でした。夕食はいろり献残焼か会席から選ぶことができ、会場は一緒になる場合があるそうです。今回は、初めてなのでいろり献残焼を選びました。
食事処へ行くと和室は小上がりになっていて、会場中央にテーブルが配置されています。案内されたテーブルには、いろり献残焼用の炭火焼きのコンロや食材など、屋内でバーベキューをしているような楽しさがありました。食べ物が焼き上がるまで待ったり、次何を焼く?と協力したり、焼きおにぎりを好みの焼き加減まで焼いたり、今回は2人でしたがこのスタイルは大勢でも楽しそうです。
辰巳館は、リピーターがとても多い宿で、ここには「辰のおとし子会」という無料の会員制度があります。入会すると宿泊ごと(ホームページからの予約限定)のスタンプをはじめ、ラウンジの珈琲券が付いていたり、売店が割引になったり、平日限定でアーリーチェックインやレイトチェックアウトの特典などもあります。
宿泊した翌日は、災害で延期されていた令和の即位パレードが行われた日。前日の雨が残る朝、朝食会場から虹が見えました。当日が晴天になったように令和もどんどん上向きになっていって欲しいと思いました。(2019年11月訪問)
旅館名 | 温もりの宿 辰巳館 |
住所 | 群馬県利根郡みなかみ町上牧2052 |
TEL | 0278-72-3055 |
お風呂 | 大浴場 |
予算 | 2人部屋利用の場合1人 11000円~(2食付き) |
露天風呂付客室 | なし |