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    アグリスケープ(創作料理/札幌市/北海道)~ 循環型農園レストラン、驚きの絶品料理!

    アグリスケープ
    ど田舎に突然姿を現すお洒落なお店

    ど田舎に突然姿を現すお洒落なお店

    札幌市内から車で20分。小別沢トンネルをくぐると急に風景は田舎っぽく緑があふれてきます。農園のビニールハウスが見えてくると、その中に黒くておしゃれな建物が見えてます。自然の風景の中で野菜を育て、鶏を飼い、食材の生産、飼育、加工を経て調理するまですべて自分たちで行っているレストランがあります。それが今回ご紹介する「アグリスケープ」です。
    シェフは吉田夏織さん。まだ若くてバイタリティがある、とにかく野菜愛に溢れた女性でした。彼女の生み出す料理とはどんなものだったのか。詳細をレポートしたいと思います。

    サービスが悪いという口コミだったけれど

    北海道の田舎らしい焚き木のストック

    北海道の田舎らしい焚き木のストック

    私は口コミ情報を鵜呑みにしないようにはしていますが、一応参考のために行く前に目を通すことも多いです。このお店に関して、サービス面の問題点が書かれていたので、行ってみてどうか自分でチェックしてみようと思っていました。お店のスタッフの客あしらいがどうのとかいうことで、ある程度覚悟していた私。それが実際行ってみるとすべてがウソのように皆さん感じがよかったのです。サービスの時間も速すぎず遅すぎず、私たちにはちょうど良くて、待ち時間も許容範囲内でした。その間にスタッフの方とお話しできたり、楽しい時間となりました。

    収穫したたくさんの野菜を披露してくれる吉田シェフ

    収穫したたくさんの野菜を披露してくれる吉田シェフ

    シェフの吉田夏織さんは見るからに元気そうで優し気なカッコいい方でした。農作業は大変だけれどこの土地でこのお店をしていることが楽しくて仕方がないという感じで、とにかく野菜が大好きなようです。最初に「この野菜を料理に使います」と籠いっぱいにいろんな野菜を盛って見せに来てくれました。生き生きとした野菜たちです。UFOみたいな形のズッキーニがあったり、カラフルで可愛らしいユニークな野菜もあります。自分たちで育てている野菜は子供みたいに可愛いのでしょう。野菜の話をする吉田さんの目はキラキラ輝いていました。大切な野菜だから、心して食べようと思いました。

    循環型農園レストランて?

    普通のジャガイモがここではなぜこれほど美味しいの?

    普通のジャガイモがここではなぜこれほど美味しいの?

    農家を受け継ぎ、1.5ヘクタール余りの畑で100種類近くの野菜を生産しているそうです。レストランで使い、直売所でも販売しているそう。飼育している鶏や豚も、レストランの入口のショップで加工品などが売られていました。レストランで出る生ごみは鶏や豚の餌にしたり堆肥にしたり、フードロスがないという「循環型農園」を実現しているのです。
    種まきや収穫の時期には、地元の子供たちも参加できるイベントも開催して、子供の食育の場も考えているそうです。そこまでやって地元に根差したレストランがそうそうあるでしょうか?すばらしいやり方を考えつかれたと感心しました。

    寛げるムードのテーブル。外には養蜂の箱も見える

    寛げるムードのテーブル。外には養蜂の箱も見える

    山に囲まれ川が流れ、畑が広がる。そんな自然に囲まれたレストランなので環境抜群です。センスのいいお洒落なガラス張りの店内ですが、ちょうど座ったテーブルの外には養蜂のための箱が置かれ、蜂も飛び交っていました。そんな何気ない自然の風景を眺めながら、ゆったりした時間を過ごし料理を堪能します。都会のかしこまった一流店もいいけれど、究極の贅沢とはこういう居心地のいいお店での食事の時間に他ならないと思いました。

    コスパ最良の4000円ランチの内容は?

    とうもろこしのフィナンシェ。お皿も素敵

    とうもろこしのフィナンシェ。お皿も素敵

    アグリスケープの料理はとにかく野菜が新鮮で味わい深くとてもヘルシー。最高の食材を誰もがとても美味しいと思えるような素直な料理に仕上げていることに好感が持てました。創作料理といっても、変にこねくり回したようなものはなく、野菜の魅力を直球で感じさせてくれるものばかり。
    ランチにお伺いして6皿ほどの4400円の楓コースを頂きました。まず最初はトウモロコシの2品、フィナンシェと冷製スープです。フィナンシェは香ばしさが最高で、太っても毎日おやつに食べたいほど!冷製スープもトウモロコシの美味しさがそのまま優しい甘さで表現されています。

    右が夕張メロンジュース。トマトジュースも当然絶品

    右が夕張メロンジュース。トマトジュースも当然絶品

    男爵いもだけで作ったプチコロッケは燻製器に入って登場です。チーズを削りカルボナーラ風のソースを付けて揚げ立て熱々を頂きます。ジャガイモ!これぞ北海道!!という感動の味わいです。
    最初に頼んだ飲み物ですが、コロナ禍ノンアルコールでシャンパーニュは頂けません。そこでメニューにあったメロンジュースが気になりました。頼んでみると夕張メロンとハーブのジュースで、ハーブは強くないので、メロンそのままの美味しさの絶品ジュースでした。あまりの美味しさにお替りしたほど。ノンアルコールだったお陰で巡り会った素晴らしいジュースでした。

    すばらしい料理のお話が続きます

    オレンジハーブに漬けたポークの美味しいこと!

    オレンジハーブに漬けたポークの美味しいこと!

    次はトマト尽くしの一皿。トマトのゼリーにトマトのピクルス、トマトの白いムース。モッツァレラのシャーベットとマリーゴールドの花びらを載せて、爽やかな1品です。次は美しくヘルシーなガーデンサラダ。野菜だけかと思ったら、中に温玉やニンニクドレッシングが隠されていて、味変をいろいろ楽しめました。(冒頭の写真)
    自家製のジャガイモのパンを付けて食べるとまた最高。

    たっぷりのブルーベリーソースを

    たっぷりのブルーベリーソースを

    次に出たのは自家製ベーコン(なんでも自家製なので、もはや自家製の文字は不要?)とトマトのアラビアータパスタです。ソースは濃いめですが、パンと一緒に食べればちょうどいい感じ。メインはオレンジハーブに漬けたポーク。ここの飼育場で育てられた美味しいポークです。
    最後デザートはブルーベリータルトとヨーグルトアイス。バラの香りのブルーベリーソースかけ。庭から採ってきたところのブルーベリーとのことでした。まさにFARM TO TABLEが時間差なく実践されていて、新鮮で格別に美味しい食材の数々に感動なのでした。そして今回頂いた素晴らしいコースがなんと4400円というリーズナブルな価格設定には、驚き以外にありませんでした。

    データとまとめ

    シェフが愛してやまない野菜たち大集合

    シェフが愛してやまない野菜たち大集合

    レストランのデータ

    レストラン名アグリスケープ
    住所北海道札幌市西区小別沢177
    電話011-676-8445
    予算ランチ 楓コース 6皿ほど 4400円 ~、ディナー マグノリアコース10皿ほど 13200円~
    座席18席 (現在は席数を減らしているようです)
    個室あり
    予約の可否完全予約制
    レストランのそばにビニールハウスもたくさん見えます

    レストランのそばにビニールハウスもたくさん見えます

    まとめ
    これほど環境が良いレストランなのでランチに伺って正解でした。日頃味わえないのどかな環境の中で、ゆったりとした気分でヘルシーで美味しい料理を堪能できました。地方レストランが素晴らしいのは地産地消の食材にありますが、ここはまさにFARM TO TABLEなので、食材はどれもがピカピカの獲れたてです。吉田夏織シェフがそうした宝物みたいな食材を見事な料理に昇華されるのです。シェフをはじめ、どのスタッフの方も対応は優しくて感じがよかったです。この店で食事するためだけに旅行を計画する価値がある、そんなお店だと思います。
    (2021年8月訪問)

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