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雄大な自然が広がる鹿児島県霧島連山。都会の喧騒から遠く離れたこの場所に届くのは、鳥のさえずりや虫の声、そして風に揺れる木々のさざめきだけです。そんな最高のロケーションにあり、プライベート感覚で泊まることが出来る話題の宿「悠久の宿一心」。一体どんな宿なのか、実際に泊まって確かめてまいりました!
霧島連山のふもとにある温泉宿
霧島連山のふもとにある静かな温泉宿「きりしま悠久の宿一心」。全7室の客室はどれも独立した離れになっていて、ラグジュアリーな雰囲気を味わえます。
ロビーのある本館からそれぞれのお部屋に行くまでに大きな池があり、橋を渡って向かうというのも趣があります。天気が良ければ水面に青空と離れのお部屋が映り込み、思わずふと足を止めてしまうような美しい光景が広がるのです。
お部屋は「もみじ」「さくら」「ひめしゃら」など植物の名前になっていて、大浴場が無い代わりにどのお部屋にも自家源泉の露天風呂がついているのが嬉しいポイント。24時間いつでも好きな時に温泉が楽しめます。
宿泊した「ふじ」のお部屋
私が泊まったのは「ふじ」という名前の110㎡ある特別室。「一心」の客室は和モダン、ヨーロピアンテイスト、カジュアルな和洋室などそれぞれお部屋によって趣が異なります。「ふじ」は定員4名の広々とした和洋室。8畳ある和室の他にリビングと、セミダブルのベッドが2台置かれたベッドルームもあります。ガラス戸を開けると大きな庭に出ることが出来て、ゆったりとしたソファでくつろぐことも可能。お部屋自体も清潔感がありインテリアのチョイスにセンスの良さを感じます。
またお風呂は内風呂と露天風呂と2つありますが、とりわけ内風呂の湯加減が最高で、天然温泉のかけ流しで24時間同じ温度で気持ちよく入れます。露天風呂はややぬるめですが、ヒノキ造りのお風呂が贅沢です。なんでもここのお湯は地下1,200mから汲み上げたものらしく、少しにごりのあるお湯は美人湯として好評なのだとか。
お部屋を案内してくださったスタッフさんは若くて丁寧な接客をされる方。ただ、そこから一歩踏み込んだトークは無く、あまりお客さんと会話を楽しむようなスタイルじゃないのかなと少し残念。
鹿児島県産にこだわる料理
一方お食事はというと、本館にあるお食事処でいただきます。それぞれ部屋ごとに個室になっているのでプライベート空間が保たれているのが良かったです。
料理はこの道40年以上の料理長が腕を振るう本格懐石料理で、こだわりの旬食材にひと手間加えた逸品です。鹿児島県産の黒毛和牛や霧島高原純粋黒豚、鹿児島近海で水揚げされた魚など、厳選した鹿児島県内産の旬食材を中心にこだわりを持って作られています。
奇をてらうことなく一つ一つ丁寧に仕上げている印象で、面白みはありませんが旅館の懐石料理としては十分美味しい部類に入るでしょう。
特にお造りが非常に新鮮で美味。メインの黒毛和牛のしゃぶしゃぶも適量で、程よく脂の乗ったお肉を贅沢に鍋にくぐらせていただきました。たまに調理場で焼いたステーキを提供してくれる旅館がありますが、大抵冷めてしまっていて残念な思いをするので、一人用のコンロで出来立てを食べるのがやはり1番だなと感じました。
また朝食は旅館にしては量がかなり少なめな印象を受けました。いつも量が多くて残してしまうことが大半なのですがここの朝食はちょうどいい分量だったので、もしかしたら少なく感じてしまう人もいるかもしれません。
データ
宿名 | きりしま悠久の宿 一心 |
住所 | 鹿児島県霧島市牧園町高千穂3590-34 |
電話番号 | 0995-64-4100 |
お風呂 | 部屋風呂のみ |
露天風呂付き客室 | 全室源泉かけ流し露天風呂付き |
予算 | 2名1室利用の場合、1人当たり1泊¥33,000~ |
宿HP | https://www.isshin-kirishima.jp/ |
まとめ
お部屋もお風呂も極上の宿という言葉に相応しく、都会の喧騒を離れたくつろげる空間でしたが、反面サービスに関しては見直す部分があると感じました。私は田舎宿の心温まるおもてなしが好きなのですが、ここは田舎にしてはスタッフさんの接客に親しみを感じませんでした。良い宿というのはスタッフさんの素敵なおもてなしを含めて記憶に残るものです。この宿もその点を改善できればもっと魅力的な宿になるだろうと感じました。(2021年10月訪問)