中山道で唯一温泉の沸く宿場、下諏訪宿にみなとや旅館はあります。
たくさんの文化人が贔屓にしている宿の秘密を解くようなつもりで宿泊の予約をしました。
重厚な木の造りの建物と玄関ロビー、広くはないけれど、居心地のいい2階の和室のお部屋。
信玄宿というのれんのかかった1組ずつ貸切される庭のお風呂は、岡本太郎さんの言葉からヒントを得たという丸い石が敷き詰められていてとても気持ちがいい。
夕食も唯一無二で、亜高山植物と平地で採れたものなど、日本酒に合いそうなものばかり。
日本酒は豊島屋の神渡にしました。地元のお酒が一番料理に合うのは何故だろう。
また、秋が旬の馬肉が名物で、馬刺しをゆっくり堪能したあとに、女将さんに自ら馬肉のすき焼きを作っていただきました。
白洲次郎、正子ご夫妻とも親交があり、ご主人から白洲ご夫婦のご自宅、武相荘に遊びに行かれた時の話を伺い、何ともうらやましい。
作家の方から送られた貴重な本もたくさん入っている本棚を見ていたら、偶然、前の月に行った小値賀島で古民家再生を手掛けたアレックス カー氏の本を見つけたので、アレックス氏が古民家を宿にしていて素晴らしかったこと、祖谷にも彼の自宅を改装した篪庵という宿や落合というエリアにも新しく宿が出来ていることなどをご主人にお伝えしました。
東京に戻って少し経った頃、ご主人からご連絡をいただき、下諏訪から祖谷までご夫婦で一泊で行かれたとのこと。おそらくあの時でもお二人とも80歳は優に超えられていたと思うのに、何という好奇心とフットワークの軽さなのでしょう。
少し秘密が解けたような気がしました。
この宿で一番印象に残ったのは魅力的なご主人と女将さんなのでした。
旅館名 | みなとや旅館 |
住所 | 長野県諏訪郡下諏訪町立町3532 |
TEL | 0266-27-8144 |
お風呂 | 庭湯(露天風呂貸し切り) |
予算 | 19,150円~ |
露天風呂付客室 | なし |