「ラトリエドゥジョエル・ロブション」、「ジョンティアッシュ」など数々の名店で腕を振るってきた進藤佳明シェフ。ミシュランの星を獲得し続けた彼が、2018年自身の集大成となるお店「ラリューム」をオープンさせたことは耳に新しいでしょう。
フレンチの名店「OZAWA(オザワ)」の移転後、その跡地を受け継ぐ形でスタートした「ラリューム」。内装は新しいものを買い揃えるのではなく、「OZAWA」への敬意と歴史ある空間を大事にするため敢えて自分たちで修繕を行い、名店の気品を感じさせる店内へと蘇らせたのだとか。
そんな「ラリューム」があるのは高級店がいくつも建ち並ぶ、白金台のプラチナ通り。まるでひっそりと息を潜めるように奥へと隠されたエントランスは、ともすればうっかり通り過ぎてしまいそうなほど。扉をくぐり地下へと続く螺旋階段を降りていくと、地下とは思えないほど明るく上品な空間が私たちを出迎えます。
入ってきた時にまず目につくのがフレンチレストランらしくないそのオープンキッチン。まるで鉄板焼き店のように大きな鉄板と、その向かいに並ぶカウンター席。常にシェフの調理の様子が見える少々珍しいスタイルです。
今回私が注文したのは、前菜2品、魚料理、肉料理、デザートから成る全5品¥5,000のランチコース。メニューのところどころにある「プランシャ焼き」と言う文字が気になっていたのですが、これが「鉄板焼き」のことなのだそう。普通のフライパンでは火の通りが均一でないため、敢えて鉄板調理を採用しているという進藤シェフ。そんなに変わるものなの?と半信半疑でしたが、実際に食べてみてその違いを実感しました。
特に気に入ったのがプラス1,500円で頼んだ前菜、フォアグラのプランシャ焼き。高温で焼き上げたフォアグラは外はカリッ、中はトロッとしていて絶妙な火入れ。和栗の渋皮煮とチップ、そして甘酸っぱいカシスソースでいただくのですが、どれもフォアグラとの相性が良く最高の逸品です。
鉄板焼きと聞いてシンプルな料理を想像していたのですが、全然そんなことは無く。むしろフレンチとしては珍しく、料理を熱々のまま最高の状態で食べられるというのが堪りません。
最初は異様に映ったそのオープンキッチンも、きっとシェフが「より美味しいものを」と追求し続けた結果なのでしょう。名店を渡り歩いた彼が見つけた「新しいフレンチの形」。是非とも味わってみてはいかがでしょうか。(2020年11月訪問)
レストラン名 | Restaurant L’allium(レストラン ラリューム) |
ジャンル | フレンチ |
住所 | 東京都港区白金台4-9-23 ツツイビル B1F |
TEL | 050-5595-9408 |
予算 | ランチ¥3,400~(平日限定) ¥5,000~ ディナー¥10,800~ |
座席 | 24席 |
個室 | 有り |
予約の可否 | 予約可 |