熊とか猪とか、獣臭のしそうな肉が苦手な私。実際は作る人が上手ければ臭みもない美味しい料理になるんだろうけど。ジビエが得意というUOZENは燕三条の方に行くなら食べに行くべきレストランだと聞いていました。シェフは以前東京で野菜中心のフレンチをやられていたので、きっとオールマイティに違いない、そう思って出かけました。
上越新幹線、燕三条駅から車で20分余り、田舎道を走って着いたところは田んぼの中の一軒家。うおぜんという和風の名前はシェフの奥様のお里がやられていた割烹料理店の名前で、そこを引き継いでフレンチレストランに改装、7年前にモダンで素敵な今のレストランがオープンしたそうです。
ジビエが出たら食べてみようと思いつつも、苦手食材は?と聞かれて、反射的にジビエ・・・と答えてしまった私。ウェイターさんの表情が凍り付きました。もういろいろ準備していたはずですから。はっと気付いて、大丈夫です、食べますので、と言い繕う私。隣の席では案の定猪肉のなんとかかんとか、説明中。
ところが結局出てきたお任せメニューにはジビエは入っていませんでした。シェフが急遽気を利かせて変更してくれたのでしょう。
長閑な田んぼの風景を眺めつつ、シャンパーニュを飲みながらアミューズ3品を。甘くて美味しい玉ねぎと生ハムをペーストにして挟んだマカロン、パイ地に載せられた豚肉のリエット、カモ肉とインゲン、トマトを煮込んだカスレのコロッケ。どれもが味わい深く幸せなお食事の始まりを予感させられるものでした。実際、続く料理は驚きで満ちていました。東京では食べられない佐渡名産の西バイ貝を蕗と一緒に香草バターでソテーし、薄ーくスライスした美しいセロリを載せたものと、巻貝に入れたバター風味の貝のポタージュのコンビ。新鮮なめばるの薪焼きも、美味しくて無言で完食するほどでした。わざわざまた食べに行きたいお店といえるUOZENは、近い将来、新潟版ミシュランに登場するだろうと私は確信したのでした。
(2020年6月訪問)
*この原稿を書いた後7月15日に新潟版ミシュランが初めて発表され、この店が見事2つ星を獲得したのです。やっぱり、という感じでしたが、さすがです。本当におめでとうございました。
レストラン名 | レストランUOZEN |
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 新潟県三条市東大崎1-10-69-8 |
TEL | 075-525-0009 |
予算 | ランチ4700円から ディナー7000円から |
座席 | 約20席 |
個室 | あり |
予約の可否 | 完全予約制 |