地方のレストランをめぐるようになってから、ずっと気になっていたエリアがあります。山形県の庄内地方にある酒田フレンチです。鶴岡には、奥田政行シェフのイタリアン「アルケッチャーノ」がありますがここ酒田にはなぜかフレンチの良い店がとても多いのです。どのお店にするか毎日悩んで今回は、「Restaurant Nico」にしました。
在来線で新庄駅、余目駅を乗り継ぎいよいよ酒田駅に到着、酒田には誰でも使える無料のレンタサイクルがあるので自転車で街を廻ることにしました。
フレンチレストランへ自転車で行くのがなんとも変な感じで、入口でそのことをお話ししたら、たくさんいらっしゃいますよと言っていただき少しほっとしました。
ランチは一番高いコースをいただきました、と言っても4.400円、本当に良心的な価格です。入口すぐと奥のスペースに席があり、今回は奥に席が準備されていました。それぞれ違う綺麗なお花の柄のお皿がセッティングされています。
1皿目は、庄内産カリフラワーのムース、優しい味わいで中にローストしたカリフラワーと生ハム、上にはサーモンとオレンジをマリネしたものとナスタチウムというハーブが、生ハムとサーモンが一皿になるのは初めてかも。美味しいアミューズだったのでその後の料理の期待が高まりました。
2皿目は、冬から春のシェフのスペシャリテの庄内産ヤリイカとじゃがいものコロッケ。付け合わせには、クレソンのサラダとタラの芽のフリット、春菊とパプリカのソース。相当のバターを混ぜて揚げることで具材と衣の間に隙間が出来て、もちろんただのコロッケはなくオリジナリティあふれる芸術的なコロッケでした。
3皿目は、庄内海で獲れた魚介で作ったブイヤベース、小さなパスタが入っていて美味しさがぎゅっと詰まっている一品でした。
4皿目は、4つから選ぶメイン、鴨のローストをチョイスしました。綺麗な色の鴨肉、オレンジではなく林檎のソースで。鴨にはやっぱり甘いソースが合います。
デザートは、つや姫を使ったブランマンジェと抹茶ムース上にはやはりつや姫で作られたポン菓子がアクセントになっています。
「酒田フレンチ」には50年ほどの歴史があり、定義は、海はもちろん、鳥海山、出羽三山、庄内平野、最上川、赤川など庄内でとれた米、魚介、牛、野菜、果物等を用いて、この地方独特のフレンチを作るというもの。
老舗のルポットフーというレストランで修行された人がたくさん市内で独立されているのもフレンチのお店が増えていった理由です。実は、Restaurant Nico太田舟ニシェフのお父さま太田政宏氏もかつて、ルポットフーで仕事をされていたことがあり、その後、レストラン ロアジスを開業、酒田フレンチを語るには欠かせない先駆者的存在で、30年の歴史を持つ庄内DECクラブを結成して、フレンチの枠だけにとらわれず庄内一円のシェフ達と共に庄内の食材を活かす取組みを行っています。庄内酒田フレンチというカテゴリーは、まだまだ発展していく目の離せない一つのブランドなのだと思いました。(2021年4月訪問)
レストラン名 | Restaurant Nico(ニコ) |
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 山形県酒田市亀ヶ崎3-7-2 |
TEL | 0234-28-9777 |
予算 | ランチ 2.200円〜 ディナー 3.300円〜 |
座席 | 25席 |
個室 | なし |
予約の可否 | 可 |