奈良にもこんなに美味しい店が出来ていたんだ。そう心底感激したのがここ白(つくも)さんです。
奈良に行くついでに軽くランチを食べに行こうと家族3人で予約。当日、直前になって一人が具合悪くドタキャンとなり二人で伺いました。説明すると快くOK。4人テーブルをそのまま二人で使わせてくれました。ほぼ満席状態なのに申し訳なかったです。以前、同行者が一人やはり病気で急に行けなくなったとき、とある東京のレストランではキャンセル料として50%取られたことがありました。いくら美味しくても、もうそういう店は行こうと思えません。ところがこのお店は大違いなのでした。ご主人も物腰柔らかで、スタッフの方も親切で、いい感じのお店です。
ご主人は「嵐山吉兆」で10年修業し、その後ニューヨークの精進料理の店など海外でもさまざまな感性を身に付けて帰国。その後奈良の地でこのお店をオープンされたのです。大和の食材を使い創意工夫ある品々で私たちを魅了させます。とはいっても、変に凝った料理はなく、素材を生かしてとにかく美味しく食べられる料理になっているのが素晴らしいところ。
センスが光る八寸は、どれもが爽やかで食欲をそそられる品々が並びます。周遊しないので脂がのったという鰹、奈良の伝統野菜であるひも唐辛子、ナスにカリッと揚げた鰻、タコ、雲丹、カリフラワー、夏野菜のサラダ、優しい味の茶碗蒸しにサマートリュフとトウモロコシの髭を添えて。
お椀は鮎の骨など取って処理したものを薄くしてカリッと焼いてあるものの下にずいきや焼きナスを敷いて、鮎の骨を香ばしく焼いたのを入れて出汁に旨みを加えたもの。何とも香しく深みのある出汁はごくごく薄味ながらため息が出るほどの味。
メインはいくつかのメニューから好きなのを選べるので、悩んだ末、牛ステーキ丼は諦めて、今日の気分で海老と野菜の天丼と手打ちそばに。天ぷらの揚げ具合ひとつにもこだわりがあるようで、専門店以上に美味。85%と15%という手打ちそばも、そば専門店を超える味でした。普通のランチメニューがここまで素晴らしいものに昇華されるとは。今度は夕食に来ないと。また新しい課題が出来ました。
お隣のテーブルでは若い女性二人がお食事中。デザートの時バースデープレートに蝋燭が立てられて登場。こうした和食店をバースデーに使うのもいいかも。そう再認識した私でした。
(2020年8月訪問)
レストラン名 | 白 Tsukumo (つくも) |
ジャンル | 日本料理 |
住所 | 奈良市三条町606-2 南側1F |
TEL | 0742-22-9707 |
予算 | 昼5000円から 夜10000円から |
座席 | 13席 |
個室 | なし |
予約の可否 | 完全予約制 |