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    レストラン・マッカリーナ (RESTAURANT maccarina) (フレンチ/虻田郡/北海道)~地産地消・野菜料理で超有名なお店だけれど…

    マッカリーナ
    トウモロコシのスープはまるで市販の味。

    トウモロコシのスープはまるで市販の味。

    北海道真狩村にあるフレンチレストラン「マッカリーナ」。そもそも真狩村ってどこよ?と思われる方も当然多くいると思いますが、真狩村は国内屈指のスキーリゾートとして名高いニセコの近くにある、緑豊かな場所。「えぞ富士」として親しまれる羊蹄山が近くにそびえ、山麓からは綺麗な水が湧き出ます。そんな恵まれた環境もあって、真狩村では農業が非常に盛ん。今回ご紹介するマッカリーナは真狩村の優れた野菜を味わってもらう目的で、1997年にオープンしたオーベルジュなのです。

    栄誉あるレストラン

    華やかな前菜の盛り合わせ

    華やかな前菜の盛り合わせ

    シェフは真狩村の野菜のブランド化に成功した人物として、かなり有名な方。2008年に北海道・洞爺湖サミットが開催された折には、各国の首脳夫人のランチ会場としてこのレストランが選ばれたそうで、この地域を代表する栄誉あるレストランと言って差し支えないでしょう。

    自家製ハムも量は多いけど美味でした

    自家製ハムも量は多いけど美味でした

    村の畑のど真ん中、自然に溢れた抜群のロケーションにマッカリーナは建ちます。ゆったりと広い店内には60席も用意され、予約の取りやすさも嬉しいポイントかもしれません。「少しでも美味しいものを創りたい、食べてもらいたい」そんな志のもと生まれた料理は「真狩村の今」を味わえるような、四季折々の料理です。ネットでの前評判も高く、また有名店ということもあり期待を膨らませていた私。しかしながらその期待は裏切られることになりました。

    期待は大きかったけれど…

    なんとも豪快な1皿。量はこれの半分でいいです。

    なんとも豪快な1皿。量はこれの半分でいいです。

    ディナーは8,800円の「トラディション」を選択しました。コースの最初、一皿目に出てきたのは真狩村で採れたトウモロコシの温かいスープです。この季節北海道のレストランではどこでもトウモロコシのスープやムースなどが出てくるため、必然的に食べ比べをしているような感覚になるのですが、マッカリーナのスープは残念ながら「北海道でなくても食べられそうな味」と感じました。というのも、他店では極力余計なものは入れずにトウモロコシ本来の甘みを楽しめるようなスープを提供しています。一見非常にシンプルなのですが、この料理に関しては「それが良い」のです。採れたての最高品質のトウモロコシだからこそ出る甘さや風味は、生産地でなければ味わえません。しかしここのスープはと言うと、ブイヨンなどの味が立ちすぎてトウモロコシの甘みが薄い。これではせっかくの良い野菜も台無しです。

    何故フレンチの最後に生姜焼き…?

    何故フレンチの最後に生姜焼き…?

    また次いで出てきた料理にも驚かされました。出てきたのは何の変哲もない茹でたブロッコリー。真っ白なお皿にはブロッコリー以外の姿は見えず、本当にただ置いてあるだけです。別添えでベーコンのソースがついてきましたが、それにしてもあまりに量が多い。もうブロッコリーだけでお腹が膨れてしまうレベルです。イノベーティブな料理を提供するお店ではしばしばこのような斬新な出し方をする店があるので、ブロッコリーのお皿を見た時「めちゃくちゃ創作性溢れるお店なのか、よほどセンスが無いかのどちらかだな」と思っていましたが、ここは明らかに後者でした。そしてブロッコリーでお腹がいっぱいになった後、出てきたのが前菜の盛り合わせとハムの盛り合わせ。このタイミングでこの量ですか…?料理も斬新ならメニューの構成も斬新(?)です。
    しかもメインの後にお米を使った料理が出ると聞いていたので(リゾットかな~)と思っていたら、まさかのミニ生姜焼き丼。どうにも全体的にちぐはぐに感じたのでした。
    しかしその一方で美味しかった料理もあります。特にメインの鹿肉は臭みが一切なく、つけあわせのマッシュポテトも絶品。ジビエが苦手なので普段はお断りしているのですが、ここの鹿肉は問題なく食べられました。そして間違いなくこの日のMVPはマッシュポテトでした。野菜がセールスポイントのようですが、全体的に美味しいものもある反面、感動するものは少なかったです。

    本当にモリエールの系列店??

    鹿肉とマッシュポテトは名店の味

    鹿肉とマッシュポテトは名店の味

    なんともコメントしがたいマッカリーナの料理でしたが、料理以上に気になったのはサービスの悪さでした。実は札幌にある3ツ星フレンチ「モリエール」グループの一員であるマッカリーナ。モリエールと言えば私も訪れたことがありますが、料理は勿論のこと3ツ星も納得のサービスが自慢です。しかしマッカリーナは同じグループのレストランとは思えないほど接客がお粗末。まるで新人の子が教育を受けずに現場に立たされているような印象で、愛想の一つもありません。

    お口直しは牛乳のハーブのアイス

    お口直しは牛乳のハーブのアイス

    一流のお店であれば「ご旅行ですか?」とさり気なくお客さんとコミュニケーションを取るものですが、ここまで店員さんと何も喋らずに終わるなんて…珍しい。シェフも結局最後まで顔を出さず、メートルさんによるお見送りもありませんでした。まだファミレスや居酒屋のほうが「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」と気持ちのいい声が聞こえてくるというもの。たまたま接客が下手な人に当たってしまったのかもしれませんが、食通の方にはオススメしにくいレストランです。
    ホームページによると「心暖まるひととき」を目指しているマッカリーナ。残念ながら「至福のひととき」にはなりませんでした。

    まとめとデータ

    苺とココナッツのデザート。ひたすら甘い。

    苺とココナッツのデザート。ひたすら甘い。

    期待値が高かっただけに残念に終わってしまったマッカリーナでの食事。しかしロケーションは文句なしにいいので、是非昼間の明るい時間、景色が綺麗に見える時に軽いランチ(3,500円~)を食べに訪れてみてはいかがでしょう。もしかしたら私が行った時とは違った印象を持つことが出来るかもしれません。(2021年8月訪問)

    平凡なプティフール

    平凡なプティフール


    レストラン名レストラン・マッカリーナ (RESTAURANT maccarina)
    ジャンルフレンチ
    住所北海道虻田郡真狩村緑岡172-3
    TEL0136-48-2100
    予算ランチ¥3,500~  ディナー¥8,800~
    座席無し
    個室60席
    予約の可否予約可

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