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    S’ACCAPAU (サッカパウ) (イタリアン/西麻布/東京)~ 遊び心と優しさいっぱい

    サッカパウ
    これを薄く切って延ばして出来上がるのが下記のラビオリ

    これを薄く切って延ばして出来上がるのが下記のラビオリ

    「クリエイティブイタリアンとワイン」がコンセプトのイタリアンのお店「S’ACCAPAU (サッカパウ) 」は西麻布にあるお店。ディナーにお邪魔したのはコロナ禍の夏のある日。あいにくのノンアルコールと時短で、8皿13200円のコースを18:00開始で2時間という制限のある中で頂きました。奥行きのあるゆったりしたカウンター席で、他のゲストは1組のカップルが離れた席にいるだけで、しかも早めに帰ってくれたので、途中からは私たちがシェフもスタッフも独占状態で優雅なディナータイムとなったのです。さて、そのお料理とは?そしてスタッフのサービスはどうだったのでしょうか?

    コンセプトはクリエイティブイタリアンとワイン

    たくさんのアミューズが嬉しい

    たくさんのアミューズが嬉しい

    シェフの田淵拓氏はとても気さくで優しい方でした。ドイツで8年イタリア料理店で修業し、イタリアでも7年修業されたという、海外での経験が長いシェフです。5年前にこのお店をオープン。隠れ家風にビルの地下にあってちょっと暗めでスタイリッシュな店内。お洒落なカップルにふさわしい感じです。おられるスタッフも皆さん親切で、カウンター席に陣取った私たちが料理のことをあれこれ細かく質問しても、わかるまで丁寧に答えてくれました。こんなに親切に教えてくれるお店はめったにありません。

    メカジキ フェンネル ミント クレームフレッシュ

    メカジキ フェンネル ミント クレームフレッシュ

    料理はイタリアンですがイノベーティブな要素が多く、斬新で驚かせられる料理が次々に出てくるのです。奇抜な発想ですが、味がおろそかになることは一切なく、ちゃんと美味しいのでますますビックリです。
    まずはたくさんのアミューズから始まります。イワシの酢漬けやお米のチップスの上に馬肉のタルタルが載ったもの、和牛のミニバーガーなど、いきなりワクワクする品々が並びます。
    次の前菜のメカジキのマリネには、不思議な緑のキャビアが添えられていました。ミントとウイキョウで作ったものだそうですが、寒天を入れて冷たい水にスポイドで落として1つ1つ作ったそうで、さっぱりしたイクラ風、プチプチ感も楽しいものです。手間かかってます。本当にこんなのよく思い付きます。

    面白い演出で遊び心いっぱい

    トウモロコシ フォアグラ キノコ ポップコ^ン

    トウモロコシ フォアグラ キノコ ポップコ^ン

    次もユニークです。ポップコーンの紙コップの底から中身がボトッとお皿に落とされます。落ちた物体はトウモロコシのエスプーマとフォアグラやキノコが入っていて、上にはポップコーンが。面白いプレゼンテーションにテンションが上がります。
    まじめな料理も挟みます。カッペリーニより少し太いフェデリーニは素麺状のパスタです。甲殻類のジュレ、白エビと雲丹、中にはフォアグラのテリーヌや発酵させたマッシュルームを粉状にしたものや、トマトを液体窒素でパウダー状にしたものなど、これもどう見ても手間暇を惜しまない料理で、そしてとても美味しい。

    とても手が凝っているユニークすぎる形状のラビオリ

    とても手が凝っているユニークすぎる形状のラビオリ

    次はユニークな渦巻き状のラビオリの登場です。黒ニンニクを練り込んだ松の実のパスタ、白いカシューナッツのと重ねてバームクーヘン状にしたのを薄く切って延ばし、それを渦巻きにして赤玉葱のアグロドルチェソースで頂きます。すべて野菜でしっかり味の付いたヴィーガン(菜食)の1品です。ヘルシーで好みの味です。
    ちなみにカトラリー類はすべてカウンターに付いている引き出しの中で、ゲストが好きなのを取り出して使うシステムです。最近たまに見かけるようになりました。

    まるで陶器のオブジェのような一皿も

    アジ レタス パセリ タマネギ タイム

    アジ レタス パセリ タマネギ タイム

    ハイライトはこの後です。今まで出会ったことがないほど斬新で見た目のインパクトが凄い料理が登場しました。それはまるで陶器のオブジェみたいな縞模様のカラフルな魚です。このまま持ち帰って飾りたいほど美しいのです。どうやって作ったかと訊くと、鯵に香草のパン粉を付けて玉葱ソースに載せ、レタスの白いソース、サルサベルデはパセリで緑に色を付けていきます。夢中になって写真を撮りまくっていたら、あいにく少し冷めてべとっとしたソースと鯵が切れの悪い感触になってしまいました。熱いうちにさっと食べないといけません。まあこれは見て驚くための1品と考えます。

    ウズラ ジャガイモ ローズマリー レモン ラッキョウ

    ウズラ ジャガイモ ローズマリー レモン ラッキョウ

    メインディッシュはウズラでした。ヒレと胸肉のミンチをフライにし、揚げたそのままウズラの足を挿して登場!ちょっと中華料理っぽい演出ですが、これも遊び心。ローズマリーのソースとジャガイモのピューレ、レモンソースにマディラ酒のソース、ラッキョウを合わせてもの。かなり凝ったソースです。
    料理はどれもが美味しいのですが、いろんな味が混ざり合ってシンプルな良さには欠ける感も。見た目の驚きと楽しさ、ハイレベルな美味しさはあっても、味の方にとことんびっくりさせられたかというと、少しの疑問は残ります。
    でも親切な皆さんと優雅で贅沢な時間が過ごせた満足度はかなり高いものでした。  (2021年8月訪問)

    お店のデータとまとめ

    こんなに凝った美しいバースデープレートは初めて!

    こんなに凝った美しいバースデープレートは初めて!

    データ

    店名S’ACCAPAU(サッカパウ)
    住所東京都港区西麻布1-12-4 nishiazabu1124ビル B1
    電話03-6721-0935
    席数25席(うちカウンターが9席)
    個室あり
    予約予約可
    予算ディナーのみ営業 四季や産地にこだわったテイスティングメニュー 13200円(税込み)
    お店のWEBサイトhttp://saccapau.jp/

    シェフの田淵氏と記念撮影

    シェフの田淵氏と記念撮影

    まとめ

    奇をてらった料理というのが概して味が付いてこないことが多いのが、今までの経験上感じてきたことです。でもこのお店は面白いプレゼンテーションに加えて美味しい料理というのが魅力です。シェフをはじめスタッフの皆さんがとても親切で優しいのもこのお店の良さでしょう。高級店に不慣れなカップルでも、ここならきっと嫌な思いをせずに楽しめますよ!

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