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芦屋といえば東京では田園調布みたいな高級住宅地。「芦屋のマダム」といった特別優雅なイメージで知られています。
JR芦屋駅に降り立つと、そこは意外に質素でこじんまりしていました。20分ほどプラプラ歩くと、住宅地の中に目指すお店を発見。大邸宅のような立派な一軒家レストランなので、迷いようがありません。
そんな格式あるグランメゾンでランチに頂いたのは、なんと6皿の「プティムニュ」4600円のお手軽コースでした。その内容の素晴らしさに驚きと感動のひと言。さて、どんなお料理だったのでしょうか?
本格派エレガントなフランメゾンで優雅なランチタイム
大邸宅の中に入ると、ウェディングもやっているだけあってムード満点の格調高いインテリアです。ウェイティングルームもあって本格的なグランメゾンです。
美しい庭に面したダイニングルームにはたくさんのテーブルがゆったりと配置されています。11:30に来店すると、しばらくして12時の予約のゲストがぞろぞろ入って来て、40席近くがほぼ満席になる盛況ぶりでした。
サービス係は5人ほど、中ではシェフに加えて3名、パティシエやアシスタントがおられるとか。サービスもしっかりしています。
このお店はかつてフランスのルーアンにある2ツ星店「メゾン・ド・ジル」の出店でした。2007年に名前を変えてこのお店をオープン。
高山英紀シェフは2015年にボキューズ・ドール国際料理コンクールで日本大会優勝後アジア大会でも優勝し、世界大会にも出場を果たしたという実力派。パティシエも素晴らしく、パンの他、スペシャリテのひとつである絶品ミルフィーユを焼いてデザートに出してくれるというから楽しみです。
平日限定プティムニュ4600円のランチスタート!
ランチコースは他にも6000円、8500円のもあるけれど、一番安い4600円のものをチョイスしました。はるばるやって来て一番安いメニューにするのもどうかと思いましたが、結論から言えば、「これで十分!ボリュームもあって適量だし満足感も120%」という完璧なものでした。
アミューズ3品、前菜2品、魚料理、肉料理、デザート、プティフールという充実した内容なのです。味も素晴らしく、随所に驚きもあるメニューです。
アミューズは3品。シルクスイートのチップスにサツマイモのモンブラン風クリーム、レモンの香り。ブロッコリーのサブレ、ベシャメルソース。イチジクとジビエのパテ。イチジクアレルギーの私には代わりに生ハムとクリームチーズのを出してくれました。シャンパーニュにぴったりで、食感も味もバラエティに富んだ気の利いたアミューズです。
23層野菜のフレンチ鮨に超感動!
驚きの前菜は次に登場しました。23層の野菜のお鮨です。何層にもたくさんの野菜を重ね、酢飯も挟んであります。美しい小花も飾ってあり見映えも最高。お鮨なのでひと口でパクリと食べると、23層のすべての野菜が柚子のピューレと共に口の中で溶け合って絶妙な美味しさを奏でます。あっさりして絶品。確かにお鮨ですが見た目も味もフレンチです。こんなメニューを思いつくシェフは天才に違いありません。同じのをあと2つくらい欲しかったです。
次の前菜は鱧とマッシュルームのコンソメです。きっと鱧の骨切りが完璧だからか、とても柔らかくて味わいある鱧。マッシュルームのコンソメにはたくさんのキノコや丹波の黒豆、アサリのフランも、考え抜かれた取り合わせです。
前菜の続きか魚料理かはわかりませんが、もう1皿続いて出たのが、香ばしく焼いた帆立。クルミオイルやルッコラ、ニンジンペースト、オレンジ、オレガノ、クミンが入って、少々エスニックな風味が食欲をまたまた増進させてくれます。上に載った素揚げしたニンジンもニクイほど美味しいのです。
まだまだ続く料理の数々
ここでメインディッシュのビーフです。オーストラリアの牛サーロインには、椎茸の旨味を染み込ませ、パン粉を載せフォンドボーをかけます。付け合わせはゴボウにミンチ肉を詰めたファルスやオリーブ、安納芋のピューレや根菜と盛り沢山。これも他と同様一切の手抜きがない丁寧な一皿です。
それにしてもオージービーフも料理次第でこれだけ美味しく食べられるなら、和牛にこだわらなくてもいいかと思ってしまったほど。
今回野菜のお鮨と共に最も驚かされたのがデザートに登場したスペシャリテのミルフィーユです。発酵バターを使い軽い食感に仕上げてサクサクです。パイ生地はあえて折り重ねる回数を減らして生地が膨らむように仕上げています。空気を含んでサクサクになるのですが、時間が経つと固くなるので、いつも作り立て熱々を出すそうです。本当に驚くべき美味しさなので、買って帰りたいと思ったのですが、焼きたてでないとダメなのでレストランでしか食べられないそうです。さすがにこだわりがすばらしい!
パティシエの方の作られたパンも完璧で、最後に出たカヌレも柔らかくて最高でした。
まとめとデータ
まとめ
これほど驚きのある料理がこの料金で食べられるとは、コスパが良く人気があるはずです。わざわざ訪れる価値ありのお店なので、お得感を味わいたければランチに行くのがおすすめです。デートや記念日、女子会などでも皆が大喜びしてくれるはずです。
(2021年11月訪問)
データ
店名 | メゾン・ド・タカ芦屋 |
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 兵庫県芦屋市平田町1−3 |
電話 | 0797-35-1919 |
席数 | 40席 |
個室 | なし |
予約 | 予約可 |
予算 | ランチコース4600円~ ディナーコース 8500円~ |