近江牛や但馬牛、松阪牛などなど日本には質の高い和牛が数多く飼育されていますが、ここまで肉の品種改良にこだわる国は日本を置いて他にないでしょう。ご存知の人もいるかもしれませんが、全国和牛能力共進会、別名・和牛オリンピックというものも全国規模で開催されていて、5年に一度和牛農家が自慢の和牛を持ち寄り、その品質の良さを競う…なんてこともしています。
今回ご紹介する「そむり」は厳選した大分の豊後牛にこだわり、1989年から続く人気のステーキ店です。大分と福岡に計3店舗構えるこちらのお店ですが、今回は本店である別府店にお邪魔しました。
そもそも豊後牛とはどういった和牛なのか。意外にもその歴史は長く、大正時代に遡ります。1918年に造成が始まり、その3年後の全国畜産博覧会では1等を獲得。「牛は豊後が日本一」と言われていた時期もあるのだとか。先ほどご紹介した「和牛オリンピック」での優勝経験もあり、2018年には豊後牛が始まって100年の節目に、新しく「おおいた和牛」という新ブランドも確立されました。これは豊後牛の中でも更に美味しさにこだわった農家で育てられた、肉質4等級以上のものだけを選んでいるそうです。
そして「そむり」が使用しているのもそんな「おおいた和牛」の極上のお肉。それが比較的リーズナブルな価格でいただけるということもあって、地元のファミリー層をはじめ多くの人に愛されている人気店となっています。
和牛の種類によって当然肉質は変わりますが、「おおいた和牛」の特徴は美しい霜降りが入っていることにあります。風味が豊かでとろけるような柔らかさがあるお肉は、歯を入れるとじゅわっと肉汁が溢れ旨味が広がります。
今回3人での利用だったのでそれぞれ違うものをオーダー。ハンバーグセットとシェフお勧めのサーロインステーキ、そしてヒレステーキの3品です。それぞれサラダやスープなどが前菜についていて、ライスも+700円でガーリックライスに変更出来ます。私はサーロインステーキコースでSサイズのお肉とガーリックライスを選択。
席はテーブル席とカウンター席があって、カウンター席であれば目の前の鉄板で調理している様子が見られるのですが、今回は残念ながらテーブル席での食事となりました。
鉄板で焼かれたお肉は冷めないように鉄板皿に移されてジュウジュウと音を立てて運ばれてきます。最高級のサーロインは火入れもばっちりで、ミディアムレアの焼き上がり。やはり最高品質のお肉と言うだけあって非常に柔らかく、噛むと旨味が溢れ出します。タレは3種類用意されていて、レモンバター、おろしポン酢、辛子をお好みでつけていただきます。私は一番さっぱりいただけるおろしポン酢が気に入りました。
ただ霜降りが入ったお肉はかなり脂っこく、1番小さいサイズを頼みましたが結局完食出来ませんでした。昔だったらこのくらいペロッと食べられたのに…。ただ連れが食べていたハンバーグはとても良かったようで、ふんわり柔らかいハンバーグは秘伝のデミグラスソースがたっぷりかけられて出てきます。もし脂っこいお肉があまり食べられないようならハンバーグをオーダーするのも良いでしょう。同じステーキでもヒレであれば脂も少ないので食べやすいかもしれません。
またシェフ自ら選りすぐったというワインは、お肉に合う逸品ばかり。こうしたお店としては珍しく品揃えも豊富で、ちょっとバブルな時代の良いワインもリストに並んでいました。
平成元年の創業以来、一貫して厳選された豊後牛にこだわり伝統の味を守り続けている「そむり」。私が訪れた日も満席で、凄い人気店なのだと見て取れました。地元の人も認める最高の豊後牛である「おおいた和牛」、一度試してみてはいかがでしょうか。(2021年11月訪問)
レストラン名 | 豊後牛ステーキの店 そむり 別府本店 |
ジャンル | ステーキ |
住所 | 大分県別府市北浜1-4-28 |
TEL | 050-5594-6588 |
予算 | ランチ¥1,350~ ディナー¥2,200~ |
座席 | 30席 |
個室 | 有り |
予約の可否 | 予約可 |
お店HP: | https://www.somuri.net/index.html |