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食べたお鮨すべてが美味しくて自分の理想にぴったりのお寿司屋さんはめったにありません。それが今回見つかりました。福井市内の超人気店「鮨 十兵衛」さんです。2021年度初めて福井のミシュランができた途端2ッ星に輝き、ゴ・エ・ミヨ15.5、食べログは4.4のシルバーという高評価の店です。何がそんなに素晴らしかったのかは、この後の紹介記事をご覧ください。
鮨 十兵衛さんの素晴らしさはまずシャリから
「鮨 十兵衛」さんはお店ができて48年目。大将の塚田哲也氏は39歳の2代目で、寿司職人となってすでに21年目だそうです。札幌の名店「すし善」で6年間の修業の後、地元に戻ってこられたのです。
しゃんとした長身で役者のように美しい調理スタイル。カウンター客の目の前で料理する姿を見せるならこういう方が理想的と言える大将です。20歳のお弟子さんと2人で切り盛りされています。流れるような動きは長年の経験の賜です。
ランチにお伺いすると、12時一斉スタート。7席だけでゆとりを持って座れる設定です。ミシュラン2つ星のお店がランチとはいえお任せ1万円とは破格。予約が取り難いはずです。
お料理が出てからお鮨が出るコースだと70%お腹が満たされてしまって、少食の私はお鮨が最高のコンディションで食べられないことが多いのです。でもここのランチはいきなりお鮨から始まるので、それも嬉しいところです。
真鯛から始まりました。ネタの美味しさもさることながら、ここのシャリは何という美味しさでしょう。赤酢を使い、米粒の存在が最後のひとつぶまで口の中で存在を主張する。でも決して固くなくて絶妙な具合でネタの旨味を引きたてているのです。素晴らしい!大きさも小ぶりで好み通りです。
大将こだわりのお鮨が続々登場
シマアジ、福井の鰆、大間のマグロの赤身と続きます。どれもが言葉が出なくなるほどの美味しさ。そして大将は常連さんも初めての私たちにも分け隔てなく接してくれるのがいい感じです。常連さんとべったりしゃべりっぱなしなお店とは一線を画しています。
大将がシャリやネタのお話をしてくれました。シャリは毎日温度と湿度をメチャクチャ慎重に計って炊くそうです。炊いたシャリは1時間半くらいしか使えないとか。また魚もできるだけ常温に保ちます。シャリとの温度差があると口の中で違和感があるからです。でも鯵とか冷たいネタをひとつ入れると、またアクセントになっていいのだそう。エビはねっとり甘さを出すために常温でないとダメ。トロも常温。なるほど…という話ばかりで勉強になります。
しめ鯖、剣先イカが出た後は、季節柄セイコ蟹。スプーンで崩して味わいます。富山の新湊で採れたボタンエビ、大間のトップシーズンの鮪のとろ、コハダと夢の競演が続きます。その後炙りたて熱々の穴子登場。竹炭の塩を振って。これを絶品と呼ばずにどこの穴子が絶品なのか!?
感動しているとボタンエビの頭の入ったお吸い物、ネギトロ、甘エビの入ったアレンジバージョンの卵焼きで完璧な美食の宴が締めくくられました。少し寂しく感じていると抹茶のブランマンジェのデザートが。ココナツプリンの上にブランマンジェ。濃厚な抹茶がかけてあり、デザートの品としても高級フレンチのレベルを超えています。デザートにも手を抜かない大将の心意気が素敵でした。
(2021年12月訪問)
レストラン名(ジャンル) | 鮨 十兵衛 (寿司) |
住所 | 福井県福井市文京5-17-5 |
TEL | 0776-24-3080 |
予算 | ランチ コース10000円~ ディナー コース 18000円~ |
座席/個室有無 | 8席 個室なし |
予約の可否 | 完全予約制 |
備考 | カード払い不可 |
まとめ
さすがは福井を代表する人気のお寿司屋さんです。でも私にとっては日本を代表する大好きなお寿司屋さんになりました。ネタもシャリも、そして大将の心のこもったおもてなしも。きっと皆さんも気に入ると思います。