
1人でお店を切り盛りしている店主の吉川未来氏

八甲田山のきのこが入ったお椀は青森の郷土料理の定番
青森県人、特に津軽の人々の気質のひとつに「じょっぱり」というのがあるそうです。いわゆる頑固さのこと。そんな「じょっぱり」な店主がやっている人気の割烹料理店が青森市にあります。
その名は「津軽割烹 未来」。店主さんは吉川未来氏。吉川氏のじょっぱりは郷土愛に満ちた料理へと繋がり、津軽愛にあふれたこだわりの料理を作っておられます。

原木椎茸、菊の花、焼きナス田楽、ピーマン、カボチャ
津軽割烹未来は、青森市では有名な和食店で、食材の宝庫である津軽海峡で獲れる食材をふんだんに使った料理を提供されます。
ランチでお邪魔した10月のある平日。カウンターに私たちだけの貸し切りで、8000円のおまかせランチコースを頂きました。シンプルで味付けも塩味が濃くなくていい感じです。
まずお椀は、ハナイクジタケ、ナラタケなど八甲田山のキノコやこんにゃくなどがいっぱい入っていて田舎っぽい料理です。青森の郷土料理の典型的なものです。
次は八寸風に大皿にいろいろ無造作に料理が並びます。原木椎茸と菊の花、焼きナス田楽、ピーマンやカボチャとなんだか盛り付けは家庭料理っぽいもの。あまり見た目にはこだわらないようです。
真鯛の照り焼きの後は、造りに平目と真鯛とサザエです。
この後出たフライドポテトならぬフライド里芋。けっこうなボリュームで単調な味なので、ちょっと途中で飽きてしまいました。私には量が多すぎるようでした。

里芋のフライ 多すぎて少し飽きてくる
鴨肉は津軽平野のインゲン豆と一緒に出されいい味です。でもこれもたっぷり多すぎてギブアップ。にゅう麺の何も入っていないピリ辛でシンプルなのがお食事がわりに登場。麺とお出汁の美味しさで勝負という感じでしょう。
デザートは八甲田のアカシアの蜂蜜のグラニテでした。満腹だったのでさっぱりしてよかったです。
大将と話していると、「店をオープンして17年と8ヶ月、まだ高校生みたいなもんです」と極めて謙虚です。でも一人でお店を切り盛りしていて、自信にあふれておられます。20代の時は京都などいろいろ食べ歩きましたが、もう長いこと行く気がしません。いい店がどんどんなくなったし、ここ青森の郷土料理を磨いていけばいいから、というのが大将の考え方のようです。
「青森が食文化の発祥の地だから、ここにいればいい」。自分の料理、青森の食文化に絶大なる信頼を持っている大将なのです。本当にじょっぱりなことがわかりました。いろんな意味で青森を凝縮したお店なのでした。
(2021年10月訪問)
レストラン名 | 津軽割烹 未来 |
ジャンル | 日本料理 郷土料理 |
住所 | 青森県青森市安方2丁目3−16 |
TEL | 017-775-2005 |
予算 | ランチお任せ 6000円~ ディナーお任せ 10000円~ |
座席 | 18席 |
個室 | あり |
予約の可否 | 予約可 |