金沢の祇園とも言える花街、「ひがし茶屋街」。時代劇に出てきそうな昔ながらの建物が並ぶこの地区は、国の伝統的建造物群の保存地区にも指定されていて、茶屋や雑貨屋が集まる観光名所。そして、そんなひがし茶屋街の通りに溶け込むようにして建つのが、今回私が訪れた「東山オーベルジュ薪の音・金澤」です。
実は以前にも富山にある系列のオーベルジュに宿泊したことがあるのですが、そことはまた違ったコンセプトだというこのお宿。富山のオーベルジュは緑豊かな田舎町で、どこか故郷を感じさせる素朴なものだったのに対し、ここ金沢のオーベルジュは隠れ宿風で和モダンな雰囲気。料理も富山ではフレンチでしたが、こちらでは和食をいただきます。
本館に2部屋と、8月12日に新しくオープンした離れに2部屋、1日合計4組限定というスモールラグジュアリーなこの宿は、花街の中という好立地でありながら驚くほど静か。清潔感のあるお部屋は広さも十分で、落ち着いた空間を演出します。
またここのレストラン「東山 和今」は2020年版の「ゴ・エ・ミヨ」にも掲載されるほどの人気店!泊まらずとも、ここに食事だけしに来る人も多いようで、私たちが訪れた時も店内は満席でした。
シェフの今井氏はまだ30代という若さながら、食材の組み合わせに長けたアイディアマン。毎月変わるメニューは金沢らしさが詰まった割烹スタイルで、金沢の「今」を味わうことが出来ると人気を集めています。今回は訪れたのが8月だったので、さっぱりとした枝豆のムースから始まる全15品ほどのコース。口の中で完成する鱚のお寿司や、能登牛のトマトすき焼き、〆の鮎の炊き込みご飯などなど、どれも美味で大満足!これだけの品数、クオリティのメニューを毎月変えているとは・・・すごい努力家です。
やっぱり「薪の音」のチェーンに間違いはないと実感した今回の旅。食事や宿の雰囲気は勿論ですが、どちらも共通して素晴らしいのはオーナーの山本さん含め従業員の方々の心温まるようなおもてなしでしょう。「またこの場所に帰ってきたい」そう思わせる素敵な時間を過ごすことができました。 2020年8月訪問
旅館名 | 東山オーベルジュ薪の音 金澤 |
住所 | 石川県金沢市観音町1丁目5-8 |
TEL | 076-252-5125 |
お風呂 | 温泉無し |
予算 | 1人¥37,000~ |
露天風呂付客室 | 無し |