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アミューズの美しさ、工夫と美味しさに感嘆する・・・・いきなり驚かされたのがここ「ラ・フロレゾン・ドゥ・タケウチ」のディナータイムでした。
晩秋の日の夕刻、19時の予約で名古屋市内のお店に伺いました。すっきりしたお洒落な店内にはテーブル数は結構多く個室もあるようです。平日のディナーなのにほぼ満席。オープンキッチンではシェフがフランス語で指示を出す声とスタッフが受け答えする声が響き、活気に満ちています。
食べログの百名店、ブロンズに輝き、愛知県で5位の人気です。ミシュラン1ツ星、ゴ・エ・ミヨでも14.5という得点を獲得しています。さて驚きのアミューズから始まったディナーとはどのようなものだったのでしょうか?
秋のキノコのヴァリエーション アミューズの驚き
晩秋の茶色の風景の中に3つのアミューズ。全部が秋の色一色で、公園の落ち葉の中で遊んでいるようです。
1つ目はセップ茸のクレープで、クリームチーズが使われています。口いっぱいにきのこの香りが広がり、大自然の中のキノコ畑に迷い込んだ気分。2つ目はキッシュでベーコンと一緒にブラウンマッシュルームが載せてあります。香ばしいキッシュの中にも明確に感じるキノコの味わい。
3つ目はガラスの器に入ったブランマンジェとキノコのコンソメです。5種類のキノコのソテーも。まとめて味わうと、目を瞠る素晴らしさ。これほど多彩にしかも小さなアミューズなのに存在感を表現できるとはすごいの一言です。見て秋を感じ、キノコの多彩な香りを嗅いで食べて味わう。アミューズからギュッと心を鷲掴みにされた感じです。
前菜2皿も美しく好み!!
2皿目は北海道のズワイガニです。カニと完熟アボカドのテリーヌは透明なゼリーで覆われ、カニの身がぎっしり。どう見ても美味しそうです。青りんごとハーブのサラダが添えられ、リンゴのピューレ、キャベツとアボカドのソース、ライムとカルダモンの香りのヨーグルトソルベも。美しいだけでなくテリーヌとソースのバランスが抜群で、ソルベの甘さもいい感じです。意外にボリュームもあります。
3皿目はフランスのフォアグラです。鉄板焼きのようなフォアグラと穴子は茶碗蒸しのようで栗や牛蒡、里芋のソースがカプチーノ仕立てで載っています。フォアグラが鉄板焼きなので、表面がカリッとしてよかったです。
竹内正樹シェフは名古屋出身で、フランスで超が付く名店「ラ・ピラミッド」などで長く修業を積んで帰国され、名古屋のお店で長年料理長など勤めた後、このお店をオープンされました。
今回のコースは税サ込14400円のディナーコースです。
後半、料理がやや重い感じに・・・
このあと魚料理、肉料理、デザートと続きます。
アミューズ、前菜2皿で結構お腹が満たされてきたところに、魚と肉が少々こってりした料理が続きました。
長崎のクエとモンサンミッシェルのムール貝、小イカ、アサリのお出汁の泡、セミドライトマト、サフランや卵黄のキューブなど多彩な味わいが混ぜ合わさったところに、ダメ押しのブイヤベースソースが注がれます。このソースがあいにく塩味が濃くてかなり濃厚だったのが残念です。
フランス感覚では塩コショウをしっかり使う料理が多いのですが、日本ではむしろ減塩であっさりしたソースがイノベーティブなので、私にはモダンにアレンジされているとはいえ正統派のメインには少々ヘビーです。
肉料理はフランス産シャラン鴨。4代に渡って特別の処理の仕方を許されたビュルゴー家の鴨なので貴重な食材だそう。低温調理で皮は炭火で焼いたりソースにも根セロリのピューレやアンディーブ、オレンジのコンフィチュール、発酵黒ニンニク、八丁味噌のペーストなど使ってかなり凝っています。確かに美味しいのですが、やはりいろいろ使いすぎて重い印象でした。
これは私個人の印象なので、人それぞれ、こってりが好きな方には向いているのでしょうか。
レストラン名(ジャンル) | ラ・フロレゾン・ドゥ・タケウチ (La Floraison de TAKEUCHI) フレンチ(フランス料理) |
住所 | 愛知県名古屋市中区栄2-12-12 アーク栄白川パークビル 1F |
TEL | 052-218-6738 |
予算 | ランチコース5800円~ ディナーコース11000円~ |
座席/個室有無 | 18席 個室あり |
予約の可否 | 完全予約制 |
公式サイト | http://www.lafloraison-t.jp/ |
まとめ
レストランでもらったカードに、このお店のコンセプトが書かれていました。
「真っ当であることを追及する、プチ・レストラン」
18席と個室まであるので、プチ・レストランというイメージではなかったものの、真っ当であることは納得です。
真っ当とはまじめで正統派という意味でしょうか?たしかに料理はすべて丁寧に工夫して作られていました。正統派でフランスのエスプリを感じる料理なので後半は少々重い気がしましたが、全体的に感動のある創作性も豊かな料理の数々に満足感は大きいディナータイムでした。
(2021年11月訪問)