その店は広尾の天現寺橋の近く、2階にありました。シックでスタイリッシュな店内で、プリフィックスで選択できる料理に満足しました。しかしビジネスの打ち合わせで相手が指定した店であったことと、仕事の話に熱中し過ぎたこと、美味しいワインでほろ酔いになったことから、店の名前は私の記憶から消えてしまいました。もう7、8年前のことです。
2020年コロナ禍の中。飲食店が次々と苦境に陥るなかで、私は飲食店に少しでも力になりたいと飲食店の応援のための来店をはじました。いろいろな店を調べる過程で、昔に訪問した店の名前が「インカント」であると記憶がよみがえりました。「インカント」もコロナの影響は大きく、以前はやっていなかったランチ営業を開始、またテイクアウトも始めるなど、withコロナ時代を生きのびるよう全力で対応しているようです。
2020年11月、ようやく久しぶりにこの店を再訪することになりました。
「インカント」はイタリア本国のソムリエ協会認定のプロフェッショナル資格を持つ竹石航氏が2007年にオープンしたリストランテ。イタリア全土の厳選したワインと、そのワインの生まれた土地に根付くイタリア20州の郷土料理とともに楽しむというのがウリです。ソムリエさんがオーナーというのは行ってみて初めて知りました。どおりで前回ワインが美味しいからといってほろ酔いになったのもうなずけます。
プリフィックスのスタイルは以前と変わっていませんでした。やはり選ぶ楽しむがあるのは、私にとって重要なポイント。冷菜、温菜、プリモピアット(パスタ他)、セコンドピアット(メイン)、デザートなどすべて選択が可能です。ワインはもちろんペアリングで。
付き出しはカボチャの冷製スープ。イタリア・マントヴァ製のカボチャを使います。この店ではイタリアの食材をよく使います。まさにホンモノのイタリアンが味わえるわけです。
冷菜はシマアジのハーブと柑橘マリネ、イタリア直送プンタレッラと赤玉ねぎのサラダ仕立てを選択。イタリアの赤玉ねぎの微かな苦みと爽やかな柑橘がミックスし、いい感じ。
パスタは9種類から選びます。リチョーリ・アル・リモーネを選択。レモンを練りこんだパスタが珍しい。イタリア産のカラスミやホタテがおいしい。メインはいろいろ迷いましたが、短角牛のロースト・トリュフがけ。トリュフが特段大好きなわけではないけれど、この言葉になぜか弱くチョイスしてしまうのです。
ペアリングのワインがおいしかったのは言うまでもありません。赤ワインのようなロゼやコクのある白ワインなど、心に残るワインでした。この店は料理もさることながら、ワインに詳しいソムリエ竹石氏のおもてなしがあるのも人気なのですね。
おかげで今回もまたほろ酔いで店を出るハメになりました。(2020年11月訪問)
レストラン名 | インカント |
ジャンル | イタリアン(イタリア料理) |
住所 | 東京都港区南麻布4-12-2 ピュアーレ広尾2F |
TEL | 03-3473-0567 |
予算 | ランチ3800円から、ディナー8500円から |
座席 | 30席 |
個室 | なし。6名から10名の場合、半個室対応可能 |
予約の可否 | 可 |