祇園なん波(日本料理/祇園四条/京都)～リーズナブルに名店の味を体験

雰囲気抜群の路地裏にある「祇園 なん波」

前菜の鱧と枝豆のゼリー寄せ

四条花見小路を東に入った華やかな祇園の街。今回ご紹介する「祇園 なん波」はそんな細い路地を入った先にある日本料理屋さんです。エントランスはどこか昔懐かしいレトロな趣。扉を開くと大将や女将さんの「いらっしゃいませ」という声が耳に届き、地元に愛された料理屋さんといった印象を受けます。
店名は店主の難波修氏の名前からつけたもの。かつてホテルオークラ京都の京料理の名店「入舟」におられたという難波氏。実は「入舟」は帰省の度に何度も家族で訪れていたお店であり、そこの元料理長さんがやっているお店ということで楽しみにしていました。
誰もが一度は経験があると思いますが、京都で本格的な和食を食べようと思うととんでもなく高い！特に祇園なんてそんな高級店が連なる場所であり、1人2万円～なんてざら。有名店にいたってはどんどん値上げして1人4～5万円も取るところだってあります。しかしそんな中で「祇園 なん波」はリーズナブルな価格を貫いており、昼食は５千円から、夕食も1万円でいただけるお店なのです。

鮎の塩焼きは夏の京都の定番中の定番

しかし1万円だからといって内容がちゃちなわけではありません。むしろかなりコスパが良く、内容もボリューミーです。私が訪れたのは8月の頭。この時期の京都の和食と言えば鱧や鮎のお皿が並びますが、例に漏れず「なん波」でも夏らしい料理が多く見られました。
まず一品目は鱧と枝豆のゼリー寄せ。こちらは爽やかな梅のソースと一緒にいただくのですが、なにぶん量が多い。でも暑い京都の夏にはピッタリなさっぱりとした一皿でした。
その後も鱧のお寿司が出たり鮎の塩焼きが出たりと、言ってしまえばよくある料理が続きます。別にここだけに限らず多くの京料理屋に言えることですが、いい加減鮎をただ塩焼きにしただけの料理はなくしても良いと思います。私は一度の旅行で何軒も和食のお店に行くことが多いのですが、その都度同じようなメニューが出てくるので正直またかという気持ちになります。しかも毎年これですしね。
ただ途中で出てきた手打ちの細い蕎麦は他には無い斬新なアイデアで面白かったです。さっぱりとした蕎麦に合わせるのは鴨ロースと、その油で炒めた白ネギ。程よく脂の乗った鴨ロースが絶品で蕎麦との相性も良く、西洋わさびをつけて食べるとまた違った風味を感じられました。

これともう一品、白あずきの水羊羹まで出た！

鱧のゼリー寄せから始まり、1万円という料金でなんと10皿も出てきたので驚き。そのうち2つはデザートで、シャインマスカットやイチジクのアイス、梅のコンポートなどこちらもこの季節らしいラインナップでした。でも全体的にかなり量が多く、全て食べ終わる頃にはかなりお腹もいっぱいになってしまいました。
京都の名店に行くとたまに女将さんが凄く気取っていたり、押しつけがましいことがありますが、ここの女将さんはむしろおっとりと丁寧な接客が素晴らしく、最後まで気持ちよく食事を楽しむことが出来ました。京都でオーソドックスな本格和食を味わいたいけどそこまで予算が無い、そんな人に是非オススメしたいお店です。(2021年8月訪問)

レストラン名祇園 なん波