数年ぶりに来た嵐山。嵐電の駅をはじめ、あまりの変わりぶりに知らないところへ来てしまったかと思うほどの驚きでした。お店まで歩いて行く途中、渡月橋が見えてようやく見慣れた景色、嵐山に来たという気分になりました。今回のムニ・ラ・テラスは、渡月橋を渡る手前を右に曲がったところの桂川(保津川)沿いにあるお店です。朝ドラ「おちょやん」のモデルとなった浪花千栄子さんが晩年やっていた料理旅館「竹生」の跡地に出来た福田美術館の隣にあります。
ムニ・ラ・テラスは、アランデュカス氏監修のレストラン。嵐山にもアランデュカス氏のお店が出来るとは、それも驚きでした。天気が良くて暑かった分、桂川の川面がきらめいていて、とても綺麗でしばらく眺めていました。
建物に入ると、左側には持ち帰りのスイーツなどが購入できるショップがあり、右側の階段を上がったところにムニ・ラ・テラスがあります。横に長い店内は窓際一面に桂川をイメージしたガラスのテーブルが設置されていて、ウォーターフロントを楽しめる配置でした。
新しいレストランへ行くたび、テーブルセッティングはとても楽しみです。真ん中にラムネ瓶を思わせるイタリアのザッフェラーノ社のグラスが置かれていました。その日は夜も予定があったので、ランチは6100円のショートコースにしました。ちなみにムニ・ラ・テラスはランチとティータイムのみで、ディナーは下の階のムニ・アランデュカスになります。
ウエルカムドリンクは、アールグレイを発酵させた酸味のあるコンブティー(いつも昆布茶と一瞬間違えてしまいます)。パンは2種類、カンパーニュとボルディエバターを練り込んで焼いた蕎麦粉と米粉雑穀のパンに、同じくボルディエバターをつけていただきます。日本でもたまに見かけるようになったこのバターが私は大好き。冬にパリに行く時はまとめて買って気をつけて持ち帰ったりするほどなのです。レストランで美味しいパンにつけて食べられるのはとても嬉しいものでした。
アミューズはミニサイズのクロックムッシュとひよこ豆のムースでした。ムースはひよこ豆と貝類を細かくしたものが中に入っていて少し歯応えがあるのも美味しい。次に出たのがフォアグラとブラックチェリーをベースにしたソース、ブラックベリーにも詰め物がしてあり、フォアグラと良く合っています。メインは鳩のドレ(黄金色という意味で照りをつけたローストの焼き方)、鳩の内臓と赤ワインのソース、茄子のコンフィがのっています。伺ったら提供する鳩は全て肩から腕にかけての部位のみを仕入れているそうです。一羽をみんなで分けるのだと思っていたのでそのこだわり、きっと美味しい部位なのだと思いながらいただきました。
デザートは、いくつかから選べましたが、ホームページを見て食べてみたかったマダガスカル産のバニラを使ったクリームのミルフィーユが本日のデザートだったので迷わずチョイス。本物のバニラの味とサクサクの生地のサンド、大満足のショートコースでした。
スタッフの方の対応も料理の説明もとても良く、食後には抹茶も木苺を使った茶菓子と共に頂き、ゆっくりと過ごせました。
いくつか行ったことがあるアラン・デュカス氏監修のレストラン。ここもはっきりとテイストが感じられました。実は、アラン・デュカス氏に対してずっと知りたかったことがあります。たくさんのお店に関わる最高のプロデューサーである彼が、今1番作りたい料理は何なのかということです。もしもアラン・デュカス氏が作る最旬の料理をどこかで食べることが出来るなら、どんなに遠くても是非行ってみたいと思っています。 (2021年7月訪問)
レストラン名ムニ・ラ・テラス
ジャンル | フレンチ(フランス料理) |
住所 | 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3番 |
TEL | 075-863-1110 |
予算 | ランチ6.100円〜 |
座席 | カウンタ-10席 テーブル席 24席 テラス席 16席 |
個室 | 無 |
予約の可否 | 可 |