しまなみふれんち Murakami(フランス料理/大阪天満宮/大阪）～南森町で「しまなみ海道」と「愛媛」を体感

ゆったりとして明るい店内

南森町にあり、大阪天満宮から徒歩2分という好立地にある隠れ家レストラン「しまなみふれんち Murakami」。シェフは「リーガロイヤルホテル大阪」に13年務め、また数々の料理コンクールにて受賞歴のある実力者です。
相当人気のあるお店のようで、私が訪れた日は予約で満席。いま大阪で特に勢いのあるフレンチのように感じます。

しまなみふれんちとは…？

そもそも何故このような店名なのかというと、お店のテーマが「しまなみ海道」に起因しているからだと言います。「瀬戸内海しまなみ海道」と言えば、広島・尾道から愛媛・今治までの間、瀬戸内海に浮かぶ島々を7つの橋で結んだルートのこと。オーナーシェフの村上智彦氏は「伯方の塩」で有名な愛媛県今治市・伯方島出身です。地元愛媛や瀬戸内海の新鮮な魚介類を自身の料理にふんだんに取り入れています。
2017年11月にオープンしたというお店はカウンターキッチンスタイルで、ライブ感も楽しめます。
またユニークなのがお店のテーブルセット。普通ナプキンが置かれているところを、なんとこのお店では今治タオルを採用！真っ白でふかふかで口を拭くのがなんだか勿体ないほどでした(笑)

2021年7月「しまなみ海道」にある大三島に「しまなみフレンチ Filer」というフランス料理店ができたので、シェフに「支店をオープンしたのですか？」とお聞きしたところ、全くの無関係とのこと。同じような名前なので困っているのでは…と心配しましたが、「地元がそういう名前を付けて元気になってくれればそれでいい」と大人の対応。シェフの心配りに感心しました。

ランチはコスパが良い

舟に乗ってやって来た「愛媛からの贈り物」

「しまなみふれんちMurakami」のランチは6皿4,950円とかなり良心的なので、デートや女子会などにもぴったりです。また新鮮な愛媛の食材を使用したフランス料理は発想力も面白く、高級店での食事に慣れている人でも満足の行くものになるはずです。
特に面白いのがお店の名物でもある「愛媛からの贈り物」。フォアグラのテリーヌを丸く成型し、周りをミカンのジュレでコーティングした「ミカン」は宝箱の中に入れられて、舟に乗ってやって来ます。冷たいフォアグラにミカンの甘酸っぱさ、そしてほんのり苦みのあるミカンチョコレートのパウダーとの相性も抜群。思わずわっと盛り上がるような演出が楽しかったです。

レモンポークの炭火焼き

またその後も瀬戸内海で獲れた海の幸や、野菜、お肉を使用した料理がテーブルを鮮やかに彩ります。メインは瀬戸内海の小さな島・いわぎ島で飼育されているレモンポークの炭火焼き。島内で生産されたレモンやミカンなどの搾りかすを食べて育つ豚は、旨味たっぷりで柔らかく、甘みも感じられます。それを同じく愛媛で栽培されているブルーベリーのソースで。脂の乗ったお肉でしたが見た目と違ってしつこさは無く、夏らしくさっぱりいただくことが出来ました。

まとめ

アミューズはトマトのグラニテと姫子地鶏のパテ

料理の演出、クオリティ、コスパ。どれをとっても素晴らしかった「しまなみふれんちMurakami」の料理ですが、特に私が驚かされたのはその提供スピードでした。というのも、大抵の高級レストランは料理と料理の間隔が長く、10～15分待つなんてざら。しかしこの日「しまなみふれんちMurakami」は満席にもかかわらず、食べ終えた2分後には次のお皿が運ばれてくるという驚異的な提供速度を見せてくれました。大阪にはせっかちな人が多いですが、このスピードなら誰も文句を言う人はいないでしょう。スタッフさんはキッチンとホールで合わせて6名。皆さんテキパキと作業されていて、チームワークの素晴らしさを感じました。

村上シェフと記念に1枚♪

おかげでこの日は計6品のコースを、しっかりお茶も飲んで1時間ほどで終わらせることが出来ました。スローフードのお店としては規格外の早さです。
また食事を終えて帰る時にはシェフが直々にお見送り。今日のように満席だとシェフが出てきてくれないお店も多いですが、きっと他のスタッフさんも優秀で任せられるのでしょう。いろいろ話したり一緒に記念撮影をしたりと、コミュニケーションを取ることも出来て最後まで満足度が高かったです。(2021年8月訪問)

お店のデータ