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    鮨し人(寿司/富山市/富山県)~独学で鮨職人に!!驚きの寿司店!

    鮨し人
    県名の入っている暖簾は珍しい

    県名の入っている暖簾は珍しい

    元々レベルの高い富山県の鮨業界。その中でも最も人気の鮨屋さん江戸前鮨の「鮨し人」に行く機会がありました。平日でしたが、一目で食通とわかる県外から来たお客さま達と共にライブ感満載の異色のお鮨を楽しみました。大将の魅力と相まって、自分の持っている鮨屋の既成概念が完全に壊れるほどの食体験でした。

    砂糖を使用しない赤酢のシャリ

    そのまま食べる江戸前鮨、紅白の海老でスタ-ト

    そのまま食べる江戸前鮨、紅白の海老でスタ-ト

    鮨し人の1番の特徴は、砂糖を使わない赤酢を使ったシャリです。少し硬めのシャリ、クセやとがった味がなく、鮨ネタの甘味ととてもよく合います。

    シンプルな具の入っていない梅酢餡の茶碗蒸し

    シンプルな具の入っていない梅酢餡の茶碗蒸し

    30代から主治医をつけていて、100歳まで鮨屋をやると決めていると話されていたご自身も、普段から砂糖は取らないのだそう。砂糖を入れる事で塩が人間に吸収される率が6倍にもなるそう。このシャリは、大将の健康に対する哲学からきているものでした。大将の握る鮨は、確かに食後に喉の乾きを感じませんでした。

    鮨し人のおまかせ

    何箇所包丁を入れるのかと思うほど細かい仕事のなされた鮨

    何箇所包丁を入れるのかと思うほど細かい仕事のなされた鮨

    ランチで8.000円のおまかせコースをいただきました。全部で14皿、鮨が10貫、料理が4皿とデザートです。そのまま食べることが出来る江戸前鮨と料理が交互に出てくるメニュー構成です。
    最初は、縁起良く紅白で白海老と甘海老。普段あまり食べる機会の無い白海老も嬉しかったけど、甘海老が美味しくて何故甘海老というのかがとてもよくわかった一皿でした。
    珍しい梅酢の茶碗蒸しの後は、9月に解禁になったばかりの紅ズワイガニと雲丹といくらの一口お鮨。無限でいける組み合わせです。アオリイカは一度マイナス50度まで冷凍すると繊維がこわれ口の中で溶けるような感触になるそうで、確かに感動の柔らかさでした。
    他にも鰤や桜鱒、大間のマグロなど一貫一貫丁寧に仕事がなされたお鮨。そしてその合間に出る料理も絶品なので言うことありません。皮付きノドグロの雌とあらのしゃぶしゃぶ。
    思わず焼き鳥と言ってしまったねぎまと共に、串に刺して提供されたノドグロの雄の焼き魚。焼き鳥と焼き魚は同じ言い方なのに、何故鳥だけ串にささってる物をイメージするのでしょうか。ノドグロの雌と雄の食べ比べも、雄の方が脂が乗っていることも初めて知りました。

    ノドグロの雌とあらのしゃぶしゃぶ、添えられた葱が絶品

    ノドグロの雌とあらのしゃぶしゃぶ、添えられた葱が絶品

    魚の骨や魚の皮などで煮出した魚介のエスプレッソ。毎日材料が違うので味も違う一期一会のスープ。味が詰まっていて味噌が入っているのではと思うほどの栄養満点な濃厚な味でした。
    最後の鮨は穴子と胡瓜の巻物。1人ずつ順番に出来立てを手渡してくれました。デザートは手作りの塩アイスの最中。なんと最中の皮まで自家製で、通常、コンスターチを使う所も多いそうですが、炭火で焼いた米粉を使用した皮なのだそう。最後に飲んだ、最中に合わせて70℃で抽出した甘さを感じる緑茶まで全てこだわりのコースでした。

    鮨職人の木村大将

    大間のマグロ、元がどのくらいの大きさかも教えてくれる

    大間のマグロ、元がどのくらいの大きさかも教えてくれる

    鮨し人の大将木村泉美氏の様々な経験に裏打ちされた会話はライブ感満載で絶対に聞く価値ありです。食事がもう終わってしまった、もっと聞いていたかったと思うほどでした。
    全く飲食ではないビジネスをしていたけれど、鮨好きが高じて鮨職人になられた経歴。後日、調べてわかったのは、鮨は独学で、かつて2軒もお店を潰した経験があること。でも負けずに独自で勉強し続けて富山一の人気を誇る、飲食業界でも注目されるような鮨職人にまで上りつめた大将。
    コロナ禍の前は、毎月のように海外で仕事をして、国内でもイベントや臨時の鮨屋を開店しています。時間があると日帰りで海外のミシュランのレストランへ行ったりととてもパワフル。常に場所を変えて行動し続けるのは、ステージを変えてLIVEをするロック歌手のような、また大将自身も止まると死んでしまうと言われている回遊魚のような方だったのがとても面白かったです。

    ちゃんと葱も挟んであるけど焼き魚と蟹の握り

    ちゃんと葱も挟んであるけど焼き魚と蟹の握り

    また、アメージングウォーターという商品名の320年前の富士山の水を広めるためにアンバサダーとして選ばれた木村さん。満月の時と新月の時に汲んだ水を調理に使い分けてるそうで、これからこの水の名前を聞くことが増えるかも。早速チェックしてみます。
    スシローの「匠の一皿」の監修や高級シャンパンメーカーからのオファーなど、木村さんの元に来る様々な仕事を、勉強になると楽しそうに引き受けてるうちに今のスタイルが確立。他での仕事のある時は、お店を完全に閉めてスタッフもほとんど連れて行くそうなので、この日のランチ、富山のお店が営業していて本当に良かったと思いました。(2021年10月訪問)

    まとめ

    お客さんと話しながら楽しそうに仕事をする大将

    お客さんと話しながら楽しそうに仕事をする大将

    鮨屋の仕事をきちんとやりながら、残りの時間をビジネスにあてると話されていた大将。どんなに人気が出ても富山の拠点を変えないのは、入口の暖簾に書いてある通り富山愛ですね。良い飲食店には必ず魅力的な人がいることを改めて実感させられる経験でした。

    最後までこだわりの一品、塩アイスの最中美味しかった

    最後までこだわりの一品、塩アイスの最中美味しかった

    店名鮨し人
    住所富山県富山市新根塚町3-5-7
    電話076-422-0918
    創業2005年
    座席数18席
    予算昼5.000円~ 夜12.000円~
    個室あり
    予約
    WEBサイトhttps://omakase.in/ja/r/oc925254

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