なにわ料理　有　(日本料理/大阪天満宮/大阪）～メニューがズラリと80種類ほど！なにわ割烹の1ツ星名店

迷いカツオ藁タタキ

なにわ割烹として知られるように、カウンター割烹というジャンルは大阪が発祥の地。「なにわ割烹たるもの何でもできる」それこそが真髄で、このお店のメニューは細長い紙にずらりと80種類もの料理が書いてあるのです。
何でもできるという心意気が脈々と伝わるこの世界。ではどんなお店でどんな料理が食べられるのでしょうか？ミシュランの1ツ星に輝くなにわ割烹の名店「なにわ料理　有」さんのディナーにお邪魔しました。

たくさんのメニューがあるから多少時間がかかって当然

ミシュラン1ツ星を獲得したなにわ割烹の人気店

11月のとある土曜の夜19時の予約でお店に行くと、カウンターにはすでに常連さんがいっぱいで賑わいを見せていました。私たちはカウンターが横目で見えるテーブル席です。
長い長い紙の手書きのユニークなお品書きをじっくり眺めて食べるものを決定します。通常はお任せコースが多い日本料理店ですが、このように自分たちで選べるのも久しぶりで楽しいものです。お品書きに値段は書いてありません。「細かいこと気にすんな」というなにわの精神でばんばんオーダーしましょう。

何を頼んでもいいけれど、金額が全く分からない。これが普通

まずは生ビールを飲みながら何が最初に出てくるかなあと楽しみに待ちます。コースのおまかせだと大将にとって仕込みが簡単なのに、アラカルトなので何でもあるから、何でも一から作らないといけないので大変。そりゃ時間もかかりそうです。込んでいるからなおさらですが、多少待たされました。まあそれも許容範囲でしょう。
まず蓮根饅頭が出てきました。もっちりして優しい美味しさで、このお店の自慢の品のひとつだそうです。
次は迷いガツオのタタキ。ツヤツヤの厚切りでとっても新鮮かつ食べごたえも十分です。

何を頼んでも丁寧な絶品料理

蓮根饅頭はこのお店の自慢料理のひとつ

ブリと豆腐のみぞれ汁は焼き豆腐や白ネギの輪切りも入っていて、あんかけ風のとろみがあって温まります。季節ごとに食材が変わるとか。
地鶏のプチグラタンもいいお味。ブリ大根は大根に味が染み込んでいます。煮崩れなど一切しない丁寧な料理はさすがミシュラン1ツ星と感心します。
地鶏と源助大根も同様です。
感動的だったのは生ゆばカニあんかけです。湯葉を厚揚げのように香ばしく揚げてから煮込んでいて、カニの餡が染み込んで絶品なのです。

地鶏と源助大根の治部煮

宮崎牛の塩焼きを食べた後、最後はカニと鶏の雑炊で締めました。どれもが満足のいくものばかりです。
聞いた話では京都では師匠の味を守るのが弟子の役目ですが、なにわでは師匠を越えていくのだそう。これもなにわ割烹の心意気なのでしょう。
常連さんとカウンターでおしゃべりされていた大将が帰り際、店の表まで見送ってくれて丁寧なあいさつをしてくれました。ずっとコロナで休んでいたのが急にたくさん来ていただいて、腕がなまってたので、ずいぶんお待たせしてスンマセンでしたと。少々待ったこともこの一言で帳消しになるくらい心のこもった言葉でした。本当に苦労が多かった年月、やっとお客さんが戻って来てよかった！そう心から思ったのでした。
(2021年11月訪問）

まとめ

宮崎牛の塩焼きもさっぱりして旨味のあるお肉

初めて行ったなにわ割烹のお店でした。細長い紙のお品書きから始まって活気のあるお店のムードも味わえました。料理はひとつひとつが一切の手抜きなく、味わい深くて感動的な美味しさでした。なにわのおやじさんならこういうお店の常連になって、会社帰りに日本酒を一杯飲みながら美味しい料理を味わうのでしょう。かなり羨ましいと思いました。

一番感動的だった生ゆば蟹餡かけ