10年くらい前に兵庫県丹波篠山に集落丸山、続いてニッポニアという宿が出来たという記事を読んだ時は、古民家が好きなのでいつか行ってみようくらいに思っていました。ところがたまたまニッポニアがそのあと日本中にたくさん出来ていることに気づき、なぜこんなに拡大するのか非常に興味が湧き、東京からほど近い佐原にあるニッポニアへ確かめに行ってみました。
利根川の川沿いに舟運の拠点として発展した佐原は伝統的建造物群保存地区として指定されています。佐原の景観はほんとうに素晴らしくて戦災をまぬがれたことによって残った街並みは写真を撮りたくなる建物や風景がたくさん、レストランやお土産物屋さんなど今も現役で使われている建物が多いので買い物や食べ歩きも楽しめます。以前佐原には日帰りで訪れたことがありましたが、夕方と朝方の人のいない街並みをゆっくり散歩するのはほんとうにおすすめで宿泊したからこそだと思いました。
佐原ニッポニアは保存地区の中にある商家を改装した宿で、5つの菖蒲の名前の付いた建物が街の中に点在しています。中村屋商店を改装したフロントでチェックインした後、各自で部屋へ、初めての所なのにスタッフの同行はなくて、荷物も自分で運ぶことに実は少し違和感がありました。また、晴れていたら気づかなかったかもしれないけれど、宿が街並みの中に点在してるこの形態だとその日たまたまの雨は少し不便でした。滞在した部屋は、1番古民家の良さが残ってると言われた蔵を改装した部屋、1階はリビングとお風呂とトイレなど水回りも含め快適に改装されていて、2階はベッドルーム、最初にきちんとご説明いただいた階段は梯子階段といってとても急なので気をつけて降りる必要がありますが、蔵に泊まるのは初めての体験でとても楽しかったです。夜のフランス料理も朝の和食も銚子港であがった魚など地元の物を使った料理で美味しかったし、フロント2階のレストランはとても雰囲気がありました。
残念だったのは、公式HPが間違っていたこと。チェックアウトがHPには10時と書いてあり、チェックインの時にも説明がなかったので混雑を避けるため7時半の朝ごはんを済ませた帰りにスタッフの方にチェックアウトの12時までゆっくりしてくださいと言われびっくり。変更したばかりでホームページが間に合っていなかったからならしいけれど、それならなおさら説明は事前にするべきです。リラックスするための旅行、朝ごはんは9時でも良かったなとがっかりしました。以前からニッポニアという名前についてずっと考えていたのですが、絶滅危惧種である日本のトキの名前がニッポニアニッポンだということを教わった時に腑に落ちました。街並みを残したい人達の思いでこんなに各地にニッポニアは広がっているということ。古民家を絶滅させないための取り組みはとてもとても共感できます。古民家は宿泊客にも対応力が必要なこともわかっていますが、建物を残すことが目的とはいえ、お客さまに来てもらうにはやっぱりお客さま満足は大切だと思います。
(2020年9月訪問)
旅館名 | Nipponia佐原 |
住所 | 千葉県香取市佐原イ1720 |
TEL | 0120-210-289 |
お風呂 | 各部屋 |
予算 | 2人1室利用の場合、1人19,960円~(2食付) |
露天風呂付客室 | なし |