
暗く照明を落とした店内は雰囲気抜群です

スペシャリテの「艸堂最中(そうどうもなか)」
高台寺のそばにあり古き良き京都の町並みの中に溶け込むイタリアンレストラン「THE SODOH東山」。元は日本の巨匠画家・竹内栖鳳の旧邸宅で、門をくぐるとまるで別世界のように美しくライトアップされた庭園が広がります。大きな敷地の中、石畳の道を進んでいくと立派な日本家屋が現れ、そこがイタリア料理のレストランになっています。まさに京都らしい佇まいで、これは本当にびっくりしてしまいます。
席数100席と聞いていたので安っぽい内装を想像していたのですが、落とされた照明やテーブルから見える庭園は雰囲気抜群。スタッフさんはみんな若くどこか素人っぽいところもありますが、一生懸命やられている様子が良かったです。元々「SODOH」はウェディング業界の会社で、「THE SODOH東山」はその系列のレストランになります。そのためか店内の雰囲気やサービスは頑張っているような印象を受けました。

ローストビーフのインサラータ
今回私がいただいたのは6,800円のディナーコース。東京以上にレストランの価格が上昇している京都では、ディナーのコースメニューでこの金額はかなりリーズナブルです。
まず出てきたのは「艸堂最中(そうどうもなか)」と題したスペシャリテのアミューズ。なんでも「SODOHグループ」はウェディングやレストラン業界だけでなく、「御菓子 艸堂」というお菓子部門もあるのだとか。伝統を大切にしながらも、時代に合ったお菓子を作っておられるようで、こちらのレストランではそのモナカを使用した一品が味わえます。ひとくちサイズのモナカの中にはフォアグラのテリーヌとあんぽ柿のジャムが。コース料金が安いのでフォアグラの味は期待していなかったのですが、ちゃんと高級店で味わえるような風味があってジャムとの相性も良かったです。
次いで出てきたのは牛もも肉のローストビーフのサラダ仕立て。スモークオイルの香りが良く、根菜とローストビーフを上手くまとめていました。

寒鰆のスパゲッティーニ
そして私が特に気に入ったのが「寒鰆のスパゲッティーニ、ちりめんキャベツ」です。鰆は12~2月の産卵期前が最も脂が乗って美味しいのですが、今回はそんな寒鰆をちりめんキャベツと合わせ、オイルパスタでいただきました。上に散りばめられたパン粉が食感のアクセントになっていて、カリカリのパン粉の香ばしさと鰆がよく合っていました。
また6,800円のコースですが、メインのお肉までしっかり出るのが素晴らしいと感じました。この日のメインは仔牛のロースト。付け合わせにはポルチーニ茸のソースや、トリュフ、栗が添えられています。普通お手頃価格にする場合食材の原価を下げるものですが、フォアグラやトリュフなどを使っていてどこか高級感があったのも良かったです。
そしてデザートには「紅玉林檎のコンポートとバニラアイスクリーム」を。サクサクのミルフィーユ生地と林檎のコンポートは、一見するとバラバラと盛り付けられていますが口の中に入れた時にアップルパイが完成します。勿論あったかいアップルパイと冷たいバニラアイスの組み合わせは完璧です。

分解されたアップルパイのようなデザート
ただコスパも雰囲気も良かった反面、「暗くてメニューの文字がよく見えない」「古い日本家屋を再利用しているため、電気ストーブがあるのに寒い」と少し残念な面もありました。ひざ掛け用の毛布の用意はありましたが、もう少しライトを増やしたり室温を保つための工夫があると良さそうです。
実は食事を終え「さて帰ろうか」という時に嬉しいサプライズがありました。預けていたコートを羽織って、いつものようにポケットに手を入れてみると…ん?なんか温かい!?どうやら私たちの食事中にコートのポケットにカイロを仕込んでいてくれたよう。小さなことではありますが、そんな心遣いがとても嬉しかったです。こういったホスピタリティはウェディングを手掛ける企業だからこそかもしれません。お値段もリーズナブルですし、「ザ ソウドウ東山」は若いカップルにもオススメしたいレストランです。(2022年1月訪問)

ライトアップされた庭園が美しい
レストラン名THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO(ザソウドウ東山京都)
ジャンル | イタリアン |
住所 | 京都府京都市東山区八坂通下河原東入ル八坂上町366 |
TEL | 050-5869-8585 |
予算 | ランチ¥3,000~ ディナー¥6,800~ |
座席 | 100席 |
個室 | 有り |
予約の可否 | 予約可 |
お店HP | https://www.thesodoh.com/ |